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小田 隆さん 古生物アーティスト
1969年三重県に生まれる。 |
空想現実
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小田隆氏は、古生物の復元アートとコンテンポラリーアートに挑戦するアーティスト。現在、フェバリットコレクションの造形ディレクター兼アドバイザーである。
「復元アート」というジャンルは、言葉の組み合わせから何となくイメージは浮かぶが、実際にその仕事を知る人は少ない。「復元アート」とは何か……。そう簡単ではなさそうである。
- 僕にとって、100%関わったのはトリケラトプスについで、アパトサウルスで二作目になります。今回の仕上がりは僕自身とても気に入っています。 フェバリットのアパトサウルスの復元姿勢は世界中どこへいっても無く、画期的です。僕自身、これに紙粘土で肉付けしてみようとも思っています。完成度の高いモノだと思います。 何が画期的なのかというと、頭骨の関節する角度です。口が真下を向くように関節させてあり、この角度が正しい姿勢だと考えています。 復元には正解はありませんし完成もありませんが、この姿勢は、頸椎の関節の繋がり方、脳から出る中枢神経の角度から見ても、非常に自然であると思います。 現在、限りなく真実に近い復元モデルだと言ってもいいでしょう。
- 復元されたアパトサウルスのその姿は、思わずニヤリとするほど美しい。 頭を下げているからだろうか、骨格モデルでありながらアパトサウルスの表情や思考が脳裏に見え隠れするのである。小田が今まで手掛けた復元画の数々を観てきた記憶が、重なるからかもしれない……。
- 恐竜の四肢の関節には大量の軟骨が付着していたので、とても緩い状態で関節していたのでしょう。ですから数多くの復元姿勢が生まれることになります。復元には化石からわかることだけでなく、生態についても想像力を駆使してゆく必要があります。骨の位置を決めるのは、ある種のセンスが必要なのかもしれません。あくまでもロジカルに作業を進めますが、やはりセンスですね。 博物館にあるものや、本に描かれているものが、必ずしも正解でないということです。古生物の復元には、全身がわかっている恐竜でも、様々な説、まだまだ多くの可能性と、未知の世界が広がっているわけです。
- 小田は研究者とのディスカッションは極めてクリエティブであると別の場所で語っている。 がしかし、古生物の復元アートは、単に復元というだけでなく、誰も見たことのないかつての世界を、現代に置き換える作業である。過去に残された記号を現代に翻訳するために、一個の骨の接合に、アーティストと研究者は膨大な時間とエネルギーがを費やしている。 復元が、ある意味で、研究者の意図を忠実に再現するモノであるとするならば、古生物の復元アートは、それこそ命を吹き込む作業なのだ。アーティストの想像力でストーリーが生まれ、観る人、或いは手にする人に、空想の領域を創造し、感動を与えてくれるモノとなるのだ。
- 一瞬の切り取られたシーンをというのも無理があるんです。ドラマチックでダイナミックな構図にするあまり、恐竜にとっては不自然なカタチになってしまうことがあります。前後の時間の経過を組み入れると自然な場面を想像しやすくなるわけです。論理的な物語性が必要なんですね。僕としては、自分自身のモチベーションとして物語性を重視しています。
- 学術的な知識を深めることにより真実に近づこうとするアーティストの姿勢が小田と復元アートの関係を築いている。 復元されたアートに、何を見、何を読みとるかは、こちら側の問題である。 アパトサウルス・スケルトン……、その骨はストレス無く見事に繋がっている故に美しい。それを手にした時から空想現実は、それぞれに委ねられ、骨は語りはじめるのだ。
(インタビュー:杉原正樹)















