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エッセイ

第53回 スーパーサウルスの秘密

7月15日から、幕張メッセでは世界の巨大恐竜博2006が開催されます。目玉はスーパーサウルスですね。およそ1億5000万年前のジュラ紀後期の北アメリカにいた、全長33メートルと史上最大級といわれる竜脚類です。


大きな肩甲骨

スーパーサウルスの化石は、いままで2体発見されています。最初の発見は、1972年、コロラド州のドライ・メサで、長さ2.4メートルもある肩甲骨でした。1985年、スーパーサウルス(Supersaurus vivianae)と記載されます。
全体の35%ほどが見つかっていますが、頭部や足の指などは見つかっていません。これらの部分は、近い仲間の恐竜から復元されています。


幻のウルトラサウルス

かつては、スーパーの上を行くUltrasaurus(ウルトラサウルス) という大型竜脚類の存在が考えられていました。同じドライ・メサで大きな肩甲骨が発見されたのです。
しかし、この名前は、韓国で発見された竜脚類に先に使用されていたため、Ultrasauros macintoshi(ウルトロサウロス・マッキントッシ) と、「ル」を「ロ」に変えて1991年に記載されました。
その後、この化石は、スーパーサウルスとブラキオサウルス(Brachiosaurusaltithorax)のものとわかったため、この名前は無効名となりました。つまり、巨大な竜脚類としてのウルトラサウルスの名前は、2度も幻になったのです。


エサの一時貯蔵庫があった?

最近、7700万年前のブラキロフォサウルス(カモノハシ竜)の保存状態のよい化石で、「そ嚢(そのう)」構造が見つかったというニュースがありました。"そ嚢"は、現生鳥類が持つ食道壁の一部が大きくふくらみ袋状になった器官です。エサを一時的に貯め、安全な場所に行ってから胃に送ってゆっくり消化するのです。ヒナの場合は、エサがあまりもらえない時にそなえて蓄えるそうです。エサが多いときに一気に消化してしまうというムダを省いているわけです。たいていの野鳥は1つですが、インコ類やハト類では2つもあるそうです。
スーパーサウルスは長い首のため、3,4回は飲み込む必要があったようです。1日に500Kg近くもの植物などを食べたとされていますが、食道の途中に"そ嚢"があったと考える研究者もいます。

「そ嚢」があった?スーパーサウルス

上は、首に「そ嚢」が2つあったとして、模式的に示してみました。
エサとなる植物が茂っている場所にくると、一気に大量のエサを取り込みます。しかし、すぐには消化せず、いったん左図の「A」に蓄えるのです。
時々首を持ち上げ、重力の力も利用して下部に位置する「B」まで移動させます。
そして、移動中にお腹がすいた時などに順に胃に送り消化するのです。
エサ場では、消化能力や満腹感を気にすることなく、大量のエサを蓄えることが出来たのです。ため込みすぎて、首の根元が異常に膨らんでいる竜脚類がいたかもしれませんね。また、長い首ですから「そ嚢」は、3つ以上あったかもしれません。
「そ嚢」には微生物がおり、唾液と一緒に蓄えておくと多少は消化されることでしょう。
ただし、胃(砂嚢)のように筋肉と胃石の力で消化することは出来ません。
ハトなどでは、「そ嚢乳」というものが作られ、ヒナに口移しで与えるそうです。竜脚類も、子供に「そ嚢」で分泌した特殊な成分を与えたり、消化に必要な微生物を胃から逆流させて与えていたかもしれませんね。

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