新恐竜秘宝館

Vol.45 チョコラザウルスへの道〜日本恐竜食玩史(2)

80年代初期、「サッポロボーイおもしろカップ」というカップ麺のおまけ「夜光怪獣シリーズ」に数種の恐竜が含まれていました。蛍光プラスチックの組立キットで、四肢や首、顎等が可動しました(写真1、2)。

写真 1
写真 2

同じ頃、おまけではありませんが、「日進おかしメン」についている応募券を集めると「特製・恐竜のタマゴ」がもらえました(写真 3)。いろいろな種類があったと思いますが、残念ながら手に入れたのはこのプレシオサウルスのみ。

写真 3

低調な80年代が過ぎ90年代に入ると、かってない恐竜ブームが到来します。毎年夏になると大規模な恐竜展が開催されるようになり、’92年にはあの名高い専門誌「恐竜学最前線」が創刊、’93年には「ジュラシック・パーク」が公開され、恐竜像の近代化が急速に社会に浸透します。そんな流れを反映して’93年にバンダイから発売された「最新恐竜学」(恐竜学最前線の影響ありありのネーミングですが)は彩色こそされていないものの、その海洋堂ガレージキットを思わせるリアルな造型は正に画期的な物で、チョコラザウルスに繋がるリアル恐竜食玩の先駆けとなりました(写真4、5は私が彩色した物)。

写真 4
写真 5

バンダイは’97年にも彩色済みの「リアルサウルス」(写真6)を発売しています。こちらも悪くない出来なのですが、インパクトは「最新」の方が遥かに上です。

写真 6

ナガサキヤも90年代に恐竜食玩をコンスタントに出し続けていました。初期の「コダイザウルス」(写真7)と中期と思われる「恐竜王」(写真8)を比べると、当時の恐竜像の変遷が一目瞭然です。

写真 7
写真 8

次回は90年代恐竜食玩オンパレードです。


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田村 博 Hiroshi Tamura

ジャズピアニスト。1953年1月27日生まれ。
恐竜倶楽部草創期からのメンバー。恐竜グッズ収集家として知られる。東京、横浜のライブハウスを中心に活動中。
1996年に、ベースの金井英人のグループの一員としてネパールでコンサートを行った。「開運なんでも鑑定団」などテレビ番組や雑誌に度々登場。「婦人公論」2002年7/22号で糸井重里氏連載の「井戸端会議」で国立科学博物館研究室長・富田幸光氏と対談。千葉県市川市のタウン誌「月刊いちかわ」に、恐竜に関するエッセイを半年間連載。1998年の夏には群馬県と福島県の博物館の特別展にコレクションを提供。2000年夏には福井県「恐竜エキスポふくい2000」にコレクションを提供、サックス奏者、本多俊之とのデュオで、恐竜をテーマにしたコンサートを行った。