Vol.72 トゲトゲ・フィギュア盛衰記
先月半ば、私は今回のテーマを前回のズールの流れを引きずってアンキロサウルス・フィギュア(トゲトゲのもう一つの系統、ノドサウルス類フィギュアについては、新秘宝館Vol.54で紹介済み)にしようと簡単に考えていました。私のイメージとして、アンキロと言えば代表的古典恐竜の一つ(目の前の壁にザリンガーのピーボディ博物館の壁画「爬虫類の時代」のポスターも貼ってあることだし)なので、何かネタがあるだろうと「恐竜図鑑」展の図録をぱらぱらとめくってみたところ、驚いたことに、150点におよぶ作品のなかでアンキロサウルスの姿が描かれているのは、チャールズ・ナイトの1931年の作品「白亜紀―アルバータ」のみ。絵の最前列にはいますが主役は何種類かいるハドロサウルス類で、アンキロは刺身のツマ的役割です。鎧竜は他に、小田隆さんの「白亜紀の情景―北アメリカ」(2008)にもいますが、こちらはエドモントサウルスの群れに紛れ、遠景で小さいうえ尾が見えないので確証は有りませんがエドモントニアでしょう。
*実は図録にはもう一匹、私が提供した昭和の児童書のイラストでタイラノザウルスとブロントザウルスが死闘を繰り広げている背景に、のんびりと草を食んでいるアンキロザウルスがいますが…
これでは脇役もいい所ではないか。人気恐竜とは私の勝手な思い込みだったのか?確かに振り返ってみると、アンキロサウルスが単体で描かれたイラストで印象に残っているものは無いし、映像で記憶に残っているのは「ジュラシック・ワールド」以外では「ゴジラの逆襲」のワンシーン、博士たちが新たに出現した怪獣を同定するのに恐竜図鑑をめくり、目撃者が指さした恐竜を「アンキロサウルス、通称アンギラスです。」と言い放つシーン位です。ゴジラと戦ったのは紛れもない恐竜アンキロサウルスだったわけです。ちなみにゴジラは単弓類説が有力です。図鑑に載っていた復元図は、着ぐるみと違って実在してもおかしくないプロポーションでした。今回このシーンを確認するためにビデオを見たのですが思いがけない発見がありました。
図鑑をめくっている時、アンキロが載っているページの2ページ前に前述のナイトの「白亜紀―アルバータ」の絵が載っていたのです。そこにはもちろんホンモノのアンキロのが。ついでに次のページには、やはり今回来ているナイトのステゴサウルス。恐竜ファンはこのシーンの為だけでも「ゴジラの逆襲」を見るべし。
大幅に話がそれてしまいましたが、考える程にアンキロサウルスの事は良く知らない事に気が付きました。これは一大事だと思い、フィギュアを並べる前に、アンキロサウルスとその周辺について調べてみることにしました。まずはウィキでフィギュア化されているアンキロサウルス類について検索。
アンキロサウルス(Wikipedia)
エウオプロケファルス(Wikipedia)
スコロサウルス(Wikipedia)
サイカニア(Wikipedia)
情報量、少ないです。
中ではスコロサウルスの項が一番充実していて、特に2017年のアンキロサウルス亜科のクラドグラムなど興味深いのですが、シノニムが入り乱れてもう何が何やら…
私なりにやっとたどり着いた結論はこうです。
1.アンキロサウルスの復元は殆どエウオプロケファルスに頼っている。
2.エウオプロケファルスの大半は実はスコロサウルスだった。
もうわけがわかりません。昔のアンキロには必ず付いているのに、いつの間にか無くなっている体側の棘も気になるので、ここは恐竜愛好家の中でも鎧竜推し筆頭として知られるASAさんに助け舟を出してもらいました。ASAさんは骨学だけの硬派ではなくフィギュアにも造詣が深い方なのでとても助かりました。
という訳で今回はASAさん全面協力でお送りします。
アンキロサウルス・フィギュアの分類
アンキロサウルスは1908年にバーナム・ブラウンによって記載されましたが、その時の復元図の背中は平たい皮骨で隙間なく覆われていました。体側の棘はありません。それどころか尻尾の先のハンマーすら当初は未発見でした。棘はASAさんによればノドサウルス類エドモントニアの物を混同して付けてしまったものの様ですが、その犯人は判りません。ナイトのいかにもエドモントニア的な棘が付いた絵は1931年ですが、70年代まで栄華を誇った棘付きアンキロサウルスの復元図、フィギュアのスタイルは、1947年にルドルフ・ザリンガーがピーボディ博物館の壁に描いた「爬虫類の時代」(画像1)のアンキロが元になっていたと思われます。我が家のアンキロサウルス・フィギュアの中で圧倒的シェアを占めるこのタイプを、ここではザリンガー系アンキロと呼ぶことにしましょう。
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ザリンガー系アンキロサウルス
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古典的フィギュア
殆どの有名処恐竜フィギュア同様、最初のフィギュアは左端の1950年代に作られたMarxの物と思われます。その上二つは比較的新しく、シュライヒ(80年代)ブリーランド(90年代)、言わば生きた化石です。Marxの右二つはLinde(50年代)とInpro(70年代)。そして大きめの緑の物、木製ベースに乗った物、青いミニモデルはシンクレア石油(秘宝館Vol.35)で60年~70年代か?。上の赤いアンキロはプレイスクール(80年代)です。
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プラモデル(秘宝館Vol.56~Vol.62を合わせてご覧ください)
左からパイロ―(68)、バンダイ(72)、オーロラ(74)、エアフィックス(78)、そして海洋堂のレジン・キット(80年代)です。
味わいのあるパッケージもご覧あれ。(海洋堂は有りませんが)
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国産のソフビなど(秘宝館Vol.37/Vol.36をご参照下さい)
左から
〇マルシン「大恐竜時代」 70年代
〇クローバー「1/50恐竜シリーズ」80年代初期
〇ツクダ「1/30恐竜シリーズ」80年代後期
〇トミー「恐竜アカデミー」1992年
*製作は中国のU.K.R.Dと言うメーカーですが、トミーが輸入販売していました。トミー製タグの名は「アンキロ類」となっています。
〇海洋堂のディフォルメシリーズ(正式名称は不明)と思われる物。おそらく90年代です。
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メタルやセラミックのアンキロ
左から
〇昔は科博などで普通に売られていた金属製恐竜シリーズ。新秘宝館Vol.3に登場した始祖鳥と同じメーカーだと思われます。
〇Grenadierというメーカーのメタル・キット(1982年)
〇正体不明のずっしり思いセラミック製。おそらく90年代初めに東急ハンズ辺りで買ったものだと思います。
〇新秘宝館Vol.19でも紹介したイギリスの陶器メーカーWADEの1993年の物。
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昭和の駄玩具のアンキロたち
説明のしようも無いのですが、右端の黄色っぽいやつはよくよく見ると尾の先にスパイクがあって、スコロサウルスとのハイブリッド恐竜になっていました。
70年代以降、何がきっかけかは判りませんが、もともと無かったザリンガーアンキロの体側の棘は徐々に廃止され、現代型のアンキロ・フィギュアに置き換わっていくのですが、2015年、ジュラシック・ワールドで突如復活するのです。
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ジュラシック・ワールドのザリンガーアンキロ
左からJW、炎の王国、前回紹介したハモンドコレクション、アニアのサバイバルキャンプ登場のアンキロと子供のバンピー。JWアンキロフィギュアは他にもありますが、買いきれませんでした。
*映画出演のアンキロはインドミナス相手に互角に戦い、アンキロファンの溜飲を下げていました。
さて、現代型アンキロはスコロサウルスやエウオプロケファルスと密接な関係があるのですが、2000年ごろ、ザリンガー系から棘を削除した、バーナム・ブラウンの復元図を再現したようなフィギュアが発売されました。移行型とでも言いましょうか。名付けてザリンガー改系です。
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ザリンガー改系アンキロ
左から、ウォーキング・ウィズ・ダイナソー(1998年)、海洋堂1/20ソフビキット(原型荒木さん 2000年代?)、フェバリット・デスクトップシリーズ(2000年代)
どれも模型として良い出来です。
*ザリンガー系アンキロ・フィギュアが絶滅していったことについて、ASAさんが私の疑問に答えてくれました。(原文のまま)
70年代、エウオがスコロを取り込んで一躍復元しやすい鎧竜No.1の座に登ったのと時を同じくして、鎧竜全体の大規模な分類整理が行われて、(ようやく)アンキロ科とノド科の明確な分け方が提唱され、鎧竜というグループの全体像がハッキリしたので、“ノドサウルス科(エドモントニア)の脇腹棘を付けたアンキロサウルス”の復元が誤りだ! というのが徐々に浸透していったというのが、フィギュア界でのエウオ台頭と棘アンキロ衰退が同時に起こった背景なんじゃないかな〜、と個人的には思います。
ザリンガー系は以上ですが、現代型アンキロを紹介する前に、アンキロの復元に多大な影響を与えたスコロサウルスとエウオプロケファルスのフィギュアに触れておかなくてはなりません。
スコロサウルスはブリアンの有名な作品「ゴルゴサウルスVSスコロサウルス」(残念ながら「恐竜図鑑展」には来ていませんが)の姿が印象的で、昭和の図鑑や雑誌などにも、アンキロサウルスとは異なる風貌の鎧竜として頻繁に登場、知名度もそれなりにあったと思います。フィギュアももっとあった筈だと思うのですが、探し出せたのはこれだけでした。
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スコロサウルス・フィギュア
左の上は、秘宝館に再三登場のフランスのメーカーStarluxの物。70年代です。下は海洋堂初期のコレクションサイズ・シリーズで荒木さん原型。ブリアンスタイルです。(80年代 秘宝館Vol.62)
その隣は海洋堂、松村しのぶさんの1/35レジンキット(90年代 秘宝館Vol.63)。ルネッサンス後の恐竜らしい優美な姿をしています。その横の2匹は、秘宝館Vol.38でも触れた、ジャパン・グレートなるメーカーの物。最初に手に入れた物は若気の至りで彩色してしまったので、後に買いなおしたものが右側です。前の小さな消しゴムの様なスコロは出所不明ですが、後ろは昭和のトンデモ恐竜を代表するメーカー、大協の製品です。
スコロサウルスは70年代に復元が見直され、次に紹介するエウオプロケファルスに併合されてしまいました。トレードマークの尾の先端の棘は実は尾の中ほどに付いていたのですが、ブリアンの時代にはその先が見つかっていなかったのだそうです。
フィギュアの方も松村さんのスコロを最後に絶滅してしまいます。
エウオプロケファルスはアンキロサウルス類の中では最も研究されている種で、実はほとんど頭しか見つかっていないアンキロサウルスの復元はエウオプロケファルスに基づいているとか。いわばアンキロを陰で支えてきた立役者です。エウオ(以下略)が記載されたのは1910年。アンキロと2年しか変わらないのですが、私の知る限り初フィギュア化は70年代なので、実に60年以上日陰を歩んできたことになります。何故そんなことになったのか?私が邪推するに、棘が無い見た目の地味さと、長すぎて覚えにくい名前のせいではないかなと…。
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エウオプロケファルス・フィギュア
最初のエウオフィギュアと思われるのが、上段右端の70年代にStarluxから発売された物。エウオプロケファルスを名乗っていますが、どう見ても棘無しアンキロ、ザリンガー改そのものです。そしてその左の2体、メーカー不明の緑のエウオと丁寧に作られたボストン科学博物館(90年代)のエウオはスコロサウルス風味です。前述のとおり、70年代にスコロサウルスはエウオに取り込まれているので、これは間違いではありません。エウオフィギュアにはスコロサウルスの特徴をそのまま受け継いだものが混在しているのです。さらに左はどこがエウオかはさておき、生体と骨格のセット物で1993年のThen And Now Collectionというシリーズの珍品。左端のCOGと言うメーカーの骨格モデルは皮骨を完全省略という潔さ。皮骨は関節しているわけではないので骨格とは言えないのかもしれませんが、鎧竜らしさがまるで無いのは寂しい…。
下の写真の、いかにもオモチャ然としたものはサンダービースト(1993年)のもの。そしてアルカード製ガレージキット(90年代 秘宝館Vol.64)、そしてANTSの1/10頭骨シリーズ(1998)のもの。これはASAさんから良くできているとのお墨付きをいただきました。右端はかってユネスコ村大恐竜館で売られていたエウオ。スコロサウルス似です。
そしてウィキのスコロサウルスのページにあるように10年ほど前、スコロサウルスはめでたく復活を遂げ、科博常設のエウオプロケファルスのネームプレートもいつの間にかスコロサウルスに変わっていましたが、新生スコロサウルスの名を冠したフィギュアは今の所出ていません。
*こちらもご覧ください。「恐竜おもちゃの博物館」のエウオプロケファルス
画像11
そして現生?のアンキロサウルス・フィギュア
ASAさんの助言に従って3種類に分類しました。背中の皮骨の位置や大きさが決め手だそうです。
画像上:学術系アンキロ
左端はPNSO製で最新の復元図に基づいているようです。隣のサファリの物はケネス・カーペンターによる2004年の復元をかなり忠実に復元。その横の現行フェバリットソフトモデルとアニアの物もそれに近いかと思われます。このタイプでは他にコレクタの物と「動く図鑑move」のフィギュアがあります。
画像中:エウオ=スコロ系アンキロ
アンキロ復元の基となったエウオプロケファルス=スコロサウルスをそのままアンキロサウルスとした製品。アンキロ史を考えると間違っているとは言えません。
左の先代フェバリットソフトモデルは、ASAさんによればスコロサウルスとしては申し分のない造形だそうです。その隣はU.K.R.D. 90年代の物。うしろの大きな物は1995年の北米恐竜旅行(秘宝館Vol.21)の時のお土産。メーカーは不明です。その下はTYCOのディノライダーシリーズの物と、全く記憶にない謎の鎧竜人形。何かのキャラでしょうか。
画像下:掟破り系アンキロ
どうせ皮骨の配置など確実な姿は判っていないのだから、格好良ければいいじゃないか、鎧と棘と尾のハンマーがあればアンキロだ。という大らかな気持ちで造形されたアンキロ。
左から、棘が強調されアンギラス化したPAPO・ケラトプス類の様な尖ったクチバシがあんまりなシュライヒ・細面で手足が長く鎧竜にしておくのがもったいないバンダイ「恐竜ギャラリー2」(2006)、
そしてダイソーの100円アンキロは色を塗るとなかなかの物なのに、このお値段は掟破り。
2体しかない骨格モデルも、行き場が無いのでここで紹介します。けっこう遊べるポーズスケルトンと、これも100円ショップで買ったプラ板で組み立てる、あの「白木の恐竜」の流れをくむアンキロ。この方式でアンキロ骨格をデザインするのはかなり無理があると思うのですが、それなりに何となくアンキロ見えるところは評価できます。
*こちらもご覧ください。「恐竜おもちゃの博物館」のアンキロサウルス
アンキロフィギュアに対し、鎧竜愛に溢れたASAさんからの一言。(原文のまま)
体部分がはっきりしないのはしかたないですが、頭部にはアンキロサウルス独自の特徴が明確にあるので、「そこを抑えればアンキロらしくなるのに、全然特徴を捉えていないし、他の近縁種のどれとも違う頭」が付いたアンキロ模型は山ほどあります(笑)
最後はサイカニア・フィギュア
モンゴルのアンキロサウルス類サイカニアは何かと全身骨格を見る機会が多い鎧竜です。神流町恐竜センターに常設されていますし、特別展でも良くお目にかかります。
フィギュアもアンキロに次ぐ多さです。
サイカニアは、北米のアンキロサウルス類、エウオプロケファルスやスコロサウルスで見つかっていなかった側面の棘が見つかっているので、フィギュアでも堂々と表現されています。展示されている全身骨格は、結構大きいし見事な物なのですが、ウィキにもさりげなく書いてある通り、首から後ろはピナコサウルスかそれに近い種類のものという事が判明してしました。サイカニアは頭だけ…まるで北米のアンキロサウルス史を踏襲しているかのようです。なのでマニアは今ではサイカニア全身骨格の事を「元サイカニア」と呼んでいます。
一方の、サイカニアの体の持ち主と思われるピナコサウルスは成体の頭が見つかっていません。困った事です。
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画像上段:後方左の2体はシュライヒ(2008)(1997)です。古い方はなぜかスコロサウルスそっくりです。その横はハピネット大恐竜時代(2007)とセガトイズ・恐竜キング「恐竜王列伝」(2007)。
画像前列は、カバヤ・恐竜コレクション(2008)、ユージン・ダイノミュージアム(2006)、ローソン限定・恐竜キングフィギュアコレクション(2006)、そして神流町恐竜センターのディフォルメシリーズ(2013)
画像中段:新秘宝館Vol.31にも登場した、陶芸家伊藤たかをさんの陶器サイカニア。焼き物の質感は鎧竜にぴったいです。「博物ふぇす」は今年は7月22、23日に開催されます。伊藤さん、今年はズールを持ってこないかなあ。
その右はフェバリットの「本当にざんねんな廃版シリーズ」サイカニア全身骨格です。
画像下段:サイカニアはこんな物も手に入ります。タイプ標本?のレプリカ。
そしてその下はピナコサウルスの幼体頭骨レプリカと、これら発見された頭骨から推測される成体の頭と、元サイカニアの体形を組み合わせて作られたPNSOのピナコサウルスです。ピナコサウルスは砂漠環境に生息していたらしいので、現生の砂漠のトカゲ、モロクトカゲを模した彩色になっているのはご愛敬。モロクトカゲのフィギュアは海洋堂カプセルQミュージアムの物。その上は、もう一つのモンゴルのアンキロサウルス類タルキア。味覚糖の食玩、コレクト倶楽部の物です。
*こちらもご覧ください。「恐竜おもちゃの博物館」のサイカニア
この様に、アンキロサウルス類の復元は、完全な標本が無いため常にもやもやしていたのです。おかげでフィギュアは様々なバリエーションが楽しめたのですが…。
そこへズールの登場です。頭と体側の棘が揃って見つかったのは初めてで、おまけに背中の皮骨も生前のまま。拝んでも拝み切れないありがたい化石なのです。科博の展示はあと数日。私はあと2回は会いに行くつもりです。アンキロの回、最後はやはりズールで。
先日、予約していたズールのヌイグルミが届きました。ヌイグルミのくせに皮膚感などなかなか鎧竜っぽい!
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ズール・ヌイグルミ
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さて、いよいよ「恐竜図鑑」展が始まりました。先月30日に内覧会があり招待していただきました。画像14はその時の様子。神戸とは展示の仕方が違います。入ってすぐの通路の両脇に巨大な「恐竜図鑑」が設置され、入場者を迎えてくれます。ちゃんと本の仕様になっていて裏表紙にも絵が描かれているという凝りよう。私のコレクション展示もご覧の通り。
神戸で買い損ねた19世紀の本のイラストをデザインしたTシャツを購入。そして何より嬉しいのは、この展覧会の仕掛人、岡本弘毅さんから、プライベートで作ったイグどんの缶バッジをいただいた事です。超限定品、お宝です。
6月18日までは、上野で「トゲトゲ」博(恐竜博2023)と「恐竜図鑑」展をはしごできます。どちらも見ごたえがあるので、1日つぶす覚悟が必要ですが。
田村 博 Hiroshi Tamura
ジャズピアニスト。1953年1月27日生まれ。
恐竜倶楽部草創期からのメンバー。恐竜グッズ収集家として知られる。東京、横浜のライブハウスを中心に活動中。
1996年に、ベースの金井英人のグループの一員としてネパールでコンサートを行った。「開運なんでも鑑定団」などテレビ番組や雑誌に度々登場。「婦人公論」2002年7/22号で糸井重里氏連載の「井戸端会議」で国立科学博物館研究室長・富田幸光氏と対談。千葉県市川市のタウン誌「月刊いちかわ」に、恐竜に関するエッセイを半年間連載。1998年の夏には群馬県と福島県の博物館の特別展にコレクションを提供。2000年夏には福井県「恐竜エキスポふくい2000」にコレクションを提供、サックス奏者、本多俊之とのデュオで、恐竜をテーマにしたコンサートを行った。