新恐竜秘宝館

Vol.4 ティラノサウルスが尻尾を持ち上げた日 2


80年代後半に「アオシマ」から発売されたソフトビニール製キットの「ティラノ対トリケラ」(写真1)は伝統的な対決に新しい恐竜像を取り入れた物。意欲は買えますが暴走しすぎて、ティラノなどヨガのポーズみたいになってしまったのが残念。同じく80年代の「クローバー」の1/50ソフビ恐竜シリーズでゴルゴサウルス(写真2)だけはいい感じに前傾姿勢をとっていました。(ただし尾は不釣合いに短く下がっている)

新・鳥脚類といえば水平姿勢に加えて頬袋でしょう。これも第一号は海洋堂、荒木さんの疾走するイグアノドンだったと思いますが、当時私もこんな物を自作したりしていました。(写真3)カンプトサウルスのつもりです。
最後に恐竜像の変革期の狭間に生まれた異端のトリケラトプスモデルを紹介しましょう(写真4)。「恐竜たち—古い竜についての新しい考え」(マクローリン、1982)で描かれたフリルを筋肉で覆った斬新な復元を元にした物です。この説、あまり人気が無かった様で他の本では言及されていませんし、模型も私が知る限りこれだけです。確かに格好悪い…。


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田村 博 Hiroshi Tamura

ジャズピアニスト。1953年1月27日生まれ。
恐竜倶楽部草創期からのメンバー。恐竜グッズ収集家として知られる。東京、横浜のライブハウスを中心に活動中。
1996年に、ベースの金井英人のグループの一員としてネパールでコンサートを行った。「開運なんでも鑑定団」などテレビ番組や雑誌に度々登場。「婦人公論」2002年7/22号で糸井重里氏連載の「井戸端会議」で国立科学博物館研究室長・富田幸光氏と対談。千葉県市川市のタウン誌「月刊いちかわ」に、恐竜に関するエッセイを半年間連載。1998年の夏には群馬県と福島県の博物館の特別展にコレクションを提供。2000年夏には福井県「恐竜エキスポふくい2000」にコレクションを提供、サックス奏者、本多俊之とのデュオで、恐竜をテーマにしたコンサートを行った。