Vol.11 秘宝館の全貌〜其の五 白木の恐竜の一族
日本で最もポピュラーな恐竜模型は何かといったら、文句無く木板をカットしたパーツで組み立てる骨格キット、いわゆる「白木の恐竜」でしょう。70年代半ばに「ドム・スペース・デザイン」というメーカーから発売されたのが最初で、その後様々なコピーや亜流を生みながら、今日では100円ショップにまでも置かれ、町の風景の一部と化す程になっています。しかし恐竜マニアの話題に上る事はまずありません。かく言う私もいくつか持ってはいるのですが大半は押入れに寝かせてあります。とにかく全て集めなければ気がすまない性質の私がめげてしまう程、ありふれていてありがたみが無い代物なのです。
蛍光プラスチックの物。厚紙や金属板を使った物、首振りギミック付き、ガムのおまけ(同じ板物というせいか2種類ありました)、ゼンマイ歩行、電動歩行で吼える奴ナドナド、類似品を挙げたらきりがありませんが、中ではここ数年アメリカのサファリ社が出している今風復元の物がなかなか良い出来です。そう言えば輸入品で実物大デイノニクスなんてのがあった様な…。
これだけあると中にはコレクター心をくすぐる珍品もあります。写真1は20年程前の物で静岡特産認定シールが嬉しいバッタ物。写真2は韓国の食玩で箱の大きさ9cmという極ミニサイズです。
さて今月の秘宝館情景。写真3と4は洗面所の窓際に置いてあるドム製初代のトリケラトプス(現在出回っている物とはフリル等が違います)と恐竜部屋天井から下がっている大きなプレシオサウルスですが、日頃ほとんど顧みられない存在なのに、写真にしてみると、どうしてどうしてなかなか良いですねえ!
田村 博 Hiroshi Tamura
ジャズピアニスト。1953年1月27日生まれ。
恐竜倶楽部草創期からのメンバー。恐竜グッズ収集家として知られる。東京、横浜のライブハウスを中心に活動中。
1996年に、ベースの金井英人のグループの一員としてネパールでコンサートを行った。「開運なんでも鑑定団」などテレビ番組や雑誌に度々登場。「婦人公論」2002年7/22号で糸井重里氏連載の「井戸端会議」で国立科学博物館研究室長・富田幸光氏と対談。千葉県市川市のタウン誌「月刊いちかわ」に、恐竜に関するエッセイを半年間連載。1998年の夏には群馬県と福島県の博物館の特別展にコレクションを提供。2000年夏には福井県「恐竜エキスポふくい2000」にコレクションを提供、サックス奏者、本多俊之とのデュオで、恐竜をテーマにしたコンサートを行った。