新恐竜秘宝館

Vol.12 秘宝館の全貌〜其の六 人気は水物?

最近、恐竜仲間の雑談の中で「近頃の恐竜図鑑は本当に恐竜しか載っていないね。」という話が出まして、言われてみれば確かに昔の様な恐竜図鑑と称して翼竜、海棲爬虫類、果てはマンモスまでも網羅した本は少なくなった様です。(その様な本は、例えば[恐竜と太古の生物]といったタイトルが付いています。)それはそれで全く正しいのですが、プレシオサウルスやプテラノドンが載っていない恐竜図鑑はちょっと物足りない気がしてしまいます。

今回は、海棲爬虫類を中心に「水物」を飾った棚をご覧頂きます。数から言うと首が長い首長竜(変な言い方ですね)が他を圧倒しています。プリオサウルス類は2体だけ。モササウルスは5体…。でも全部合わせてもひとつの棚にほぼ収まってしまう程の人気の無さは、寂しい限りです。


と、ここまで前振りしておいて、まず自慢するのが魚というのもなんですが、写真1の右端の銀色の魚、どう見てもシルル紀の棘魚類クリマティウスだと思うのですが、なんと中国製300円程のビニール袋入り「水族館セット」に鯛や平目に混じって入っていたのを見つけて彩色した物なのです。いったい何を間違ったのでしょうか?謎です。この様な楽しい発見は人に話したくなるものですね。写真1には他に海洋堂製の甲冑魚ケファラスピスや良く出来た個人メーカー製ガレージキットのディニクチス、荒木さん原型のアーケロンとクリダステス、大阪のキットメーカー「えんどるふぃん」のモササウルスとリオプレウロドンが写っています。

写真2の魚竜(やはり荒木さん原型)の台座に横たわっているのは、私の知る限り唯一の魚竜の3D骨格模型です。10年以上前のカプセルトイ(ガシャポン)で大きさは5cm程。このシリーズ、始祖鳥やモアの3D骨格など、他ではお眼にかからない物がありました。
最後に別の意味での水物をひとつ(写真3)。魚の水槽に入れてエアーポンプを繋ぐと口をパクパクさせて空気の泡を出します。おそらく50年代の日本製、子供の頃に見た記憶があります。これはアメリカのネットオークションで手に入れました。こんな物がアメリカまで渡ってオークションで売買されるとは…奥深いですねえ。


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田村 博 Hiroshi Tamura

ジャズピアニスト。1953年1月27日生まれ。
恐竜倶楽部草創期からのメンバー。恐竜グッズ収集家として知られる。東京、横浜のライブハウスを中心に活動中。
1996年に、ベースの金井英人のグループの一員としてネパールでコンサートを行った。「開運なんでも鑑定団」などテレビ番組や雑誌に度々登場。「婦人公論」2002年7/22号で糸井重里氏連載の「井戸端会議」で国立科学博物館研究室長・富田幸光氏と対談。千葉県市川市のタウン誌「月刊いちかわ」に、恐竜に関するエッセイを半年間連載。1998年の夏には群馬県と福島県の博物館の特別展にコレクションを提供。2000年夏には福井県「恐竜エキスポふくい2000」にコレクションを提供、サックス奏者、本多俊之とのデュオで、恐竜をテーマにしたコンサートを行った。