Vol.31 祝!フタバスズキリュウ記載
いや目出度い!この何年か噂されていたフタバスズキリュウの記載が、ついに実現されました。フタバサウルス・スズキィ…どんな名前になるか想像を膨らませていた人達(私もですが)からは「なんやそのマンマやんけ」と突っ込まれそうな、あまりにも妥当すぎる学名ですが、新属新種ということで有難みも倍増です。そんなわけで、今回は急遽予定を変更してフタバスズキリュウの模型を並べてみました。
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写真 1は初期('85年頃)の海洋堂1/35レジンキット(左)と、このところ恐竜キングフィギュアの原型製作なども手掛けている徳川広和さんの、これまた古い作品。
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写真 2は秘宝館Vol.26でも紹介した山崎繁さん原型の海洋堂レジンキットですが改めてじっくりと…。何故か「Wellsiosaurus suzukii」という学名を勝手に名乗っていて、しかも1/1幼体(60cm程)という設定で頭部は大きく首はまだそれほど長く無いという(写真 3. 4. 5)山崎さんらしいひねりがきいています。出来映えは文句なしです。
写真 6は科博みやげ。青い方は樹脂製で科博ショップのみで売られていましたが、同型の金属製の物は、首に指輪などを掛けられて、アクセサリーショップ等でちょっと悲しい姿をさらしている事が稀にあります。
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写真 7は、地元「いわき石炭化石館」で売られていた南部鉄でできた物。「石炭化石館」とは縁がありまして、 98年夏の「恐竜グッズ大集合」という催しに我家のコレクションを大量出品させていただいたり、恐竜倶楽部の旅行で大挙して押しかけたりと、何度かお世話になっています。地元グッズでは他に未入手の「ふくしま国体記念貯金箱」(写真 8、以前ヤフオクで落としそこなった物)というのがあって探しています。
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最後に、やはりいわきの「海竜の里」で入手したカセットテープ「いわき大久(おおひさ)」(くさのけん作詞作曲)写真 9というオリジナル民謡(?)でも口ずさみながら38年間目にしてようやく名前が付いたフタバスズキリュウに思いをはせましょう。
ハア〜 いわき大久 恐竜の里よ
双葉スズキの 首長 くびなが竜
ハア〜 いわき大久 アンモナイトよ
山の地膚に 群れならぶ 群れならぶ
…と、次の3番までいい調子で化石関係の歌詞が続くのですが、4番で突然
ハア〜 いわき大久 海からみればよ
右に原発の 灯が見える 灯が見える
いきなり現実に引き戻されてしまいました。
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田村 博 Hiroshi Tamura
ジャズピアニスト。1953年1月27日生まれ。
恐竜倶楽部草創期からのメンバー。恐竜グッズ収集家として知られる。東京、横浜のライブハウスを中心に活動中。
1996年に、ベースの金井英人のグループの一員としてネパールでコンサートを行った。「開運なんでも鑑定団」などテレビ番組や雑誌に度々登場。「婦人公論」2002年7/22号で糸井重里氏連載の「井戸端会議」で国立科学博物館研究室長・富田幸光氏と対談。千葉県市川市のタウン誌「月刊いちかわ」に、恐竜に関するエッセイを半年間連載。1998年の夏には群馬県と福島県の博物館の特別展にコレクションを提供。2000年夏には福井県「恐竜エキスポふくい2000」にコレクションを提供、サックス奏者、本多俊之とのデュオで、恐竜をテーマにしたコンサートを行った。