新恐竜秘宝館

Vol.55 アメリカン・アンティーク・トイ Vol.2

約1年前、ネットで「セカイモン・オークション」なるものが始まりました。アメリカのeBayオークションに直結したもので、手数料は15%も取られるものの、全て代行してくれるので面倒な手続きや英語のやり取りもいらず、そのうえ万一トラブった時の保証も有る様で、これは良いとお手軽に参加してしまったのがまちがいの元、お宝の山の前に預金は減る一方で、今や新たなる泥沼にはまりこんでいます。以前「秘宝館Vol.5」でU.Sアンティーク・トイを取り上げてから早4年。一気に増えたコレクションをご披露しましょう。なお今回は恐竜アンティーク・トイを購入する際のバイブル「DINOSAUR COLLECTIBLES」(Vol.5で紹介)に記載されたマニア間での市場価格と実際の落札価格(送料・手数料は含まず)を参考までに併記します。

写真 1

まずは古いところで、「TwisTum」社の木製のブロントサウルス。全長35cm程で、丸いジョイントで出来ていて自由にポーズがつけられます。何と1920〜1930年代の物。最古の恐竜玩具のひとつでしょう。市場価格は$400〜600!となっていましたが僅か$97で落札でき「ヤッター!」と喜んでいたら同じ物が最近のセカイモンで$50で落札されていました…残念。

写真 2

これも古い鉄製のブロントサウルスで、1933年のシカゴ万博の時の「Messmore & Damon」社の製品だそうです。実はこれを書いている時点で、まだ我家に到着していないので、オークションのページの写真です。$100〜150が$67。でも大分錆びていそうです。

写真 3
写真 4

これは正確には日本製。アメリカへの輸出用に1950年代に大量に作られた「Linemar」社製のブリキの玩具のひとつです。20cm程でゼンマイで歩き口を開閉します。これは長い間探していた物で、オークションで見つけた時には思わず気合が入りました。出会いは実に22年前。その頃横浜の山手に出来た「ブリキのおもちゃ博物館・TOYS CLUB」のガラスケースの中で発見して以来、ずっと気になっていたのです。めでたく手に入った後、ふと思い立ってTOYS CLUBに比べに行きました。ガラスケースの中に22年前と変わらない姿を見つけた時は何ともこみあげるものがありました。丁度居合わせた、館長で日本最強の玩具コレクターの北原照久さんともお話をさせていただき、いい時間を過ごす事ができました。これなら落札価格$200(市場価格不明)も安いと言うものです。

写真 5

50年代の「Alva」社の金属製ブロントサウルス(20cm)とステゴサウルス。どちらも$100〜150の所を$135と$65で。どっしりとして風格が漂っています。

写真 6

やはり50年代「Miller」のプラスチック製ブロントサウルス(22cm)。希少な物らしく$195〜225と高値で、落札価格も$182.は送料等を加算すると少々痛かった…。

写真 7
写真 8

スターウォーズ等でおなじみの「Kenner」社が60年代に発売した、発泡スチロール製組み立て玩具「REX」。やたらと大きい上に大味、しかも組んでもすぐに崩れてしまって、撮影するのにひと苦労でした。もう2度と箱から出す事は無いかも。アメリカ人の子供はいったいどうやって遊んだのでしょうか?$150〜200と書いてあったのに僅か$29で落札。こんな代物に大枚を叩かずに済んで、正直良かったです。

写真 9
写真 10
写真 11

最後に小物をまとめて紹介しましょう。いずれもセットで$20〜40とお手頃価格。大きさは食玩サイズです。
写真 9はシリアルの「ナビスコ」のおまけ(52年代)。銀色の絶滅哺乳類のシリーズは、珍しい種類もいて良い出来です。写真 10は「Rawcliffe Pewter」のとても小さいメタルモデル(3cm位)。年代は不明。写真 11は80年代の「Topps」と言うメーカーのプラスチック・フィギュアで、なかなか古風ないい味を出しています。


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田村 博 Hiroshi Tamura

ジャズピアニスト。1953年1月27日生まれ。
恐竜倶楽部草創期からのメンバー。恐竜グッズ収集家として知られる。東京、横浜のライブハウスを中心に活動中。
1996年に、ベースの金井英人のグループの一員としてネパールでコンサートを行った。「開運なんでも鑑定団」などテレビ番組や雑誌に度々登場。「婦人公論」2002年7/22号で糸井重里氏連載の「井戸端会議」で国立科学博物館研究室長・富田幸光氏と対談。千葉県市川市のタウン誌「月刊いちかわ」に、恐竜に関するエッセイを半年間連載。1998年の夏には群馬県と福島県の博物館の特別展にコレクションを提供。2000年夏には福井県「恐竜エキスポふくい2000」にコレクションを提供、サックス奏者、本多俊之とのデュオで、恐竜をテーマにしたコンサートを行った。