古代魚のソフト素材を使用したあつめるフィギュア
キューバに生息するガーパイクの人気種であるキューバンガー/マンファリのPVC製フィギュアです。コレクションしやすいサイズで、遊ぶだけでなくディスプレイとしてもお楽しみいただけます。
キューバンガー/マンファリCuban gar
分類 :ガー目/ガー科/アトラクトステウス亜科
サイズ :体長 約2メートル
生息地域:キューバ島西部および青年の島の河川や湖
およそ1億年前からほとんど姿が変化していない“生きた化石”と呼ばれ「マンファリ」(キューバ先住民族の言葉でたくさんの歯という意味)という別名でも知られています。突出した嘴の両顎には歯が密生し、体の表面は原始的な硬骨魚類の特徴の一つである硬い菱形の鱗で覆われています。嘴はガーパイクの種類の中では一番幅が広くなっています。魚の身は、キューバでは食用として扱われていますが、卵には哺乳動物や鳥に対する強い毒性があります。
監修者 守亜和由喜さん インタビュー
- エンシェントフィッシュ「古代魚」シリーズに新たに加わったアジアアロワナ/紅龍とキューバンガー/マンファリについての魅力をお聞かせください。
- アジアアロワナは、古代魚とカテゴライズされて呼ばれる観賞魚のなかではトップクラスの人気を誇ります。
アロワナ特有の厳つい顔つき、こいのぼりを思わせるような大きな鱗を持ち合わせていることから龍魚とも呼ばれています。さらにアジアアロワナ全体でみれば体色が、赤、青、金、緑等の様々なバリエーションを持ち、選ぶ楽しみ、飼い込む楽しみが飼育魚としての人気を支えています。
中でも人気があるのが紅龍とよばれる赤いタイプのアジアアロワナで、全身に赤が乗るほど珍しさが増します。紅龍(レッドドラゴン)と呼ぶにふさわしい貫禄をもっています。
キューバンガーは、その名の通りキューバ島に棲息しているガーの1種で、現地では「マンファリ」と呼ばれ、この名とともに存在は有名でしたが、長らく日本に入ってくることはなく幻の魚として古くからの観賞魚マニアの憧れでした。
大きさこそガー最大種のアリゲーターガーに劣りますが、それでも2m前後まで成長する大型のガーで、特徴はオリーブグリーンに光る独特の体色と、なんといってもガー特有の突き出した顎の幅が一番広いということにあります。他のガーでは顎の幅は付け根が一番広く、先端に行くにしたがって細くなっていきますが、マンファリは付け根から一度ぐいっと広くなってから緩やかに細くなるアヒルのようなシルエットを持っています。
ガノインと呼ばれるタイル状に並んだ固い鱗が緑色に光り、畏怖を抱かせる顔つきを持つこの魚はまるで古代の甲冑を思わせます。 - アジアアロワナとガーパイクはそれぞれ様々な種類が存在しますが、アジアアロワナ/紅龍とキューバンガー/マンファリを選ばれた経緯をお聞かせください。
- アジアアロワナは、古代魚シリーズを銘打っているかぎり、外せない魚だと思っていました。
アジアアロワナと呼ばれる魚は大きく4種に分けられていてそれぞれが特徴的で魅力を持っているのでその中からひとつに絞るのが難しい選択でしたが、アジアアロワナの代名詞的存在でもあるレッドアロワナを選びました。塗装の面での挑戦もありましたが魅力的に仕上がったと思います。
キューバンガーは、これもやはり古代魚をコンセプトとしてシリーズ化するにあたり、ガーと呼ばれる古代魚の一群は外すことのできない存在です。
その中からいくつかの候補が上がりましたが、造形で魅力を引き出すことができると思いマンファリをチョイスしました。アジアアロワナが色彩の存在感を楽しむアイテムだとすればマンファリは造形的な面白さを360°から楽しむことのできる存在だと思います。 - 今回は原型製作をご担当いただきましたが、それぞれどのようなコンセプトを元に製作をされましたか?
- どちらもこれ以上ない、本当にいたら絶対に欲しくなってしまう個体を作ろうと意識しながら製作しました。 アジアアロワナのほうは特に体型を意識しました。野生下における健康的で魅力的な体型であることが必須条件です。特にスプーンヘッドと呼ばれる顎と背中の盛り上がりが特徴的でありながら不自然にならないこと、またレッドアロワナと他のアジアアロワナのフォルムの差異を意識しています。頭部が割合的に小さ目であることや、尾鰭が長くたなびくような形状になっていることがレッドアロワナ独特の特徴です。マンファリは最大の特徴であるダックビルと呼ばれる顎の形状を強く意識しました。観賞魚雑誌「アクアライフ」の編集部に出向き、古いバックナンバーをチェックし、当時の様子なども聞きました。また、タイル状に並んだガノイン鱗が整然と並んでいること、乱れが無いように注意して製作を進めました。
- 最後に新たに加わったアジアアロワナ/紅龍とキューバンガー/マンファリ ソフトモデルについてコメントをお願いします。
- 飾るも良し、手に取って眺めるも良しの優等生です。飾って遠くから眺めればゆったりと泳ぐ雰囲気を楽しめますし、手に取ると立体図鑑といった趣で詳細なデータが造形によって封じ込められています。長くそばに置いて楽しんでいただければと思っています。
監修者プロフィール
守亜和由喜(もりあ かずゆき)
自然史系造形作家。
「私的熱帯世界」をコンセプトにしている。造形、平面問わず幅広く表現し、個展やグループ展など多数開催している。
アクアフィッシュ ミニモデルの造形及び監修を担当。