ソフト素材を使用した"あつめる"恐竜フィギュア
白亜紀後期のアジア大陸に生息していたテリジノサウルスのPVC製フィギュアです。長らくその姿が謎だった前脚に生えた巨大な鉤爪が特徴の大型恐竜です。コレクションしやすいサイズで、遊ぶだけでなくディスプレイとしてもお楽しみいただけます。
テリジノサウルスTherizinosaurus
分類 :竜盤目/獣脚亜目/テリジノサウルス科
サイズ :全長9~10メートル
生息時代:白亜紀後期
白亜紀後期のアジア大陸に生息していた前脚に生えた巨大な鉤爪が特徴の大型恐竜。発見時には鉤爪以外の骨格がほとんどなく、長らくその姿は謎とされてきたが、近年になり近縁種のアラシャサウルスの化石が発見され、その姿が明らかとなった。しかし、食性を知ることができる頭骨については不明で、植物食性、魚食性、雑食性と様々な説がある。また、腕は鳥が羽ばたくように左右に広げることができる構造になっていたが、この進化の理由もまだ判明していない。後脚の内側にある親指(第一指)は、獣脚類では通常小さく退化するが、大きな腹部を含む巨体を支えるため、再び発達し、4本の指を地面につけて歩いたと考えられている。
監修者 荒木一成さん インタビュー
- 今夏公開の映画でも大活躍していたテリジノサウルスがソフトモデルの仲間に加わりました。テリジノサウルスについて荒木様はどのような印象をお持ちですか。
- テリジノサウルスの仲間、デイノケイルスを実は40年近く前に、模型誌の連載で作ったことがあります。そのときは、鋭い爪を持った前肢だけを作りました。当時テリジノサウルス類は、爪だけ・前肢しか知られていない謎の恐竜でした。この恐竜もスピノサウルスのように、徐々に真の姿が判明してきた恐竜のひとつですね。
- 長年にわたり正体不明の恐竜であったテリジノサウルスですが、ソフトモデルの造形をするにあたり苦慮された部分はございますか。
- 現在はテリジノサウルス類も類縁の保存の良い化石の発見のおかげで、ずいぶん正確な姿が分かってきました。やはり20数年前に模型誌でテリジノサウルスを作ったたきは、ウロコ肌で作りましたが、現在は全身が羽毛で覆われた復元も多くなってきましたので、このモデルでも部分的に羽毛を表現しています。
- ポージングや台座部分については、どのようなイメージで造形されたのでしょうか。
- テリジノサウルスは長い首にずんぐりした胴体、長い爪、短い尻尾と、他の恐竜にはないスタイルです。 当初、上体を持ち上げて両手を上げた威嚇したポーズにしようと思いました。この方が重心が後ろに行き、安定すると思ったからでしたが、最終的は支柱をつけてカッコイイ前傾姿勢威嚇ポーズにしました。
- テリジノサウルス ソフトモデルの彩色全般について、意識された部分はありますか。
- やはり他のソフトモデルと彩色パターンがバッティングしないよう気をつけています。
テリジノサウルスの食性は実は謎で、肉食なのか植物食?雑食?魚食?なのか。
以前作ったモデルで、長い爪で魚を突き刺して捕って食べていた模型を作ったことがあったので、水辺を生息域にしていたイメージの配色にしました。 - 最後にテリジノサウルス ソフトモデルについてコメントをお願いします。
- 最新の映画「ジュラシック・ワールド 新たなる支配者」で一躍メジャー恐竜の仲間入りをしたテリジノサウルス。映画ではまるで殺し屋のような長い爪をナイフのように使っていましたが、「本当はどんな恐竜だったんでしょう? あの長い爪は本当は何に使っていたんでしょう?」 一説には現在の大アリクイのように、蟻塚を壊すのに使っていたという説もあります。
ガシガシ遊ぶだけじゃなく、「この長い爪は何の役にたったのかな?」ってフィギュアを手に取って考えてみるのも面白いかも?
監修者プロフィール
荒木一成(あらき かずなり)
自然史系博物館での恐竜復元模型製作、恐竜図鑑などの原型製作を手がける日本を代表する恐竜造形師。