手のひらサイズの古生物フィギュア
カンブリア紀中期の地層バージェス頁岩で発見された奇妙奇天烈な生物ウィワクシアのPVC製ミニフィギュアです。ディスプレイしやすいサイズなので、デスク周りや棚のアクセントなどお好きな場所に飾っていただけます。背景台紙になる情報カードが付属します。
ウィワクシアWiwaxia
分類 :目名不明/ウィワクシア科/ウィワクシア属
サイズ :体長約5センチメートル
生息時代:古生代 カンブリア紀
体が鱗のようなもので覆われており、剣状の棘が左右一列に生えている楕円形の生物である。裏側には肢があり、海底を這い回りながら餌を探していた。背中の鱗の表面には細かい溝が規則正しく並んでおり、それが光を反射しタマムシのような構造色(虹色)で彩られていたという説もある。
監修者 徳川広和さん インタビュー
- 今回ミニモデルとして新たにラインナップされるカンブリアモンスターですが、生物学的にどのような特徴があるのでしょうか。また、徳川様はどのようなところに魅力があると感じられていますか。
- カンブリア紀の動物達の中でも、奇抜・奇妙な姿で人気・知名度が特に高いのが今回フィギュア化されたアノマロカリスを代表とするバージェス頁岩の動物達でしょう。その姿は勿論、生態についても謎が多く、学説の変遷・議論も様々で、古生物学の面白さが詰まった動物群だと思います。
- 今回のシリーズは、手のひらサイズの精巧なミニフィギュアとなりますが、小さなフィギュアについてどのような印象を持たれているのでしょうか。
- フィギュアというと普段は実物の縮小模型になる事がほとんどで、今回のバージェスフィギュアの場合は更にミニサイズになりますが、それでもほぼ実物大であったり、逆に拡大されているものもあり、そこが他の恐竜・古生物のシリーズを手掛ける時との製作時の意識の大きな違いかもしれません。今回はそのフィギュアサイズの小ささを、その動物の姿のユニークさならではの可愛さの表現に活かしたいとも思いました。
- 未だ謎の多い生物で、奇妙でユニークな姿が印象的ですが、造型について注意された点や、意識された点を教えてください。
- 化石を見れば一目でユニークな形状である事は判るのですが、一方で化石資料が乏しい物もあり、また化石の多くが平面状で発見されるため、立体的に復元する事が難しくもあります。これまで復元が何度も変わったハルキゲニアのようなものもいます。今回のフィギュア化に当たっては、なるべく多くの資料・論文を参考にしていますが、その情報の中からの取捨選択は私には難しい事も多く、そこは監修の大路先生とのやりとりがあればこそでした。ちょうど原型製作スタート時に大路先生と「生命大躍進」展を一緒に見学する機会があり、有名な化石の実物を目の前に大路先生と復元についてディスカッション出来たのは、今回の造形の上は勿論、古生物ファンとして非常に楽しく幸運な事でした。
- 色について、どのようなコンセプトを元に彩色されたのでしょうか。また、モチーフとなったものや、イメージされたものがあれば教えて下さい。
- 色については、恐竜や他の古生物以上に判らない、故に自由度も高いかと思います。色が判らない事を逆手に取って、思い切った配色を選べたのは楽しかったですね。今回は全8種という事なので、その8種の中で色のバリエーションに注意しながら、それぞれの形状・生態から可能性がありそうな配色にしました。現生のウミウシや甲殻類等が主なイメージソースになっているものもあります。
- 手のひらサイズのフィギュアシリーズですので、気軽にどこへでもディスプレイでき、様々なシチュエーションで楽しむ事ができます。徳川様のオススメのディスプレイ方法、演出方法などがあれば教えて下さい。
- 海に生息している動物ばかりなのですが、カナダスピスやオレノイデス(三葉虫)のように脚のあるものは観葉植物の鉢にコッソリ、というのがサイズ的にも今回のフィギュアならではで面白いかな、と思っています。本棚の空いたスペースにも置き易いサイズですね。手の中に収まるサイズというのは、独特の存在感とカワイさがあります。
- 最後にこのモデルについてコメントをお願いします。
- バージェスといえば定番のアノマロカリスやオパビニア等は勿論、カナダスピスやウィアクシア等、これまで一般商品化された事がほとんどない種類まで揃っている、古生物フィギュアとしては珍しいシリーズになっていると思います。一方で、バージェスはもちろん、他の場所・時代でもバージェスのものにも負けず劣らず面白いカンブリア紀の化石が続々と報告されています。今回のシリーズをキッカケに、カンブリア紀の古生物達への興味を広げて貰えれば嬉しいです。
監修者プロフィール
徳川広和(とくがわ ひろかず)
学術的な考証と立体物としての魅力が融合した作品をめざす恐竜・古生物復元模型作家。