新恐竜秘宝館

Vol.3 「CD・LPの恐竜ジャケット展覧会」後編

前回の邦楽編に続き洋楽編、今回は枚数が多いので、解説は主だったものだけに絞ります。ただ我家のレコードプレーヤーが壊れているため、LPは内容が確認できないのが残念です。本当は聴きながら書きたかったのですが…。

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写真1 「IN THE NEXT WORLD,YOU’RE ON YOUR OWN
内容不明、音楽では無かった様に思います。ジャケットデザインは80年代に我国の恐竜造型家に多大な影響を与えた、あのウイリアム・スタウト(秘宝館Vol.62参照)。世界最強恐竜コレクター、ドン・グルットさんの「THE DINOSAUR SCRAPBOOK」でも紹介されている位なので、お宝かもしれないです。(1975)

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写真2 「DINOSAURS」
…という名のロックバンドのアルバム。竜脚類が岩に登れるはずが無いなどと突っ込むのは野暮と言うもの。アートですから。(1988)

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写真3 「MUSEUM PIECES
モー・コフマンというカナダのジャズフルート奏者の博物館を題材にしたアルバム。「Evolution Blues」「Dinosaurus」と言った曲が入っているのに聴けないなんて!(1977)

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写真4 「POP WORKSHOP /SONG OF THE PTERODACTYL
スウェーデンのジャズバンドの作品。ゲストにマイルス・デイビスのバンドで活躍した名うてのドラマー、トニー・ウイリアムスが参加している点がジャズ的には貴重。火を吐いているのはあくまでもアートと言うことで…。(1974)

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写真5 「WALK THE DINOSAUR
ファンキーなロックバンド、WASのアルバム。この曲のPVはYou Tubeで見ることができます。(1988)

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写真6 「その他」
ロックやダンスミュージックのアルバムです。こうして見ると、ティラノ、圧倒的人気ですね!

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写真7
写真7はEPレコードでイギリスのフュージョンバンド「シャカタク」の鳥でもないのに「ナイト・バーズ」。(1982)

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写真8 「DINOSAUR SWAMPS
アメリカのプログレッシブ・ロックバンド「ザ・フロック」のアルバム。ニューヨーク自然史博物館の壁画がそのまま使われていますが、オリジナルのLP同様、縦にジャケットを見開くと、下の方にバンドメンバーと思しき人影が描きこまれています。(1970)

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写真9 「ONE SIZE FITS ALL
ロック界の奇才フランク。ザッパの1975年の作品。ブックレットの裏表紙が星座図になっていて、なにやら怪しい星座が描かれている中にティラノ座が…。偶然見つけたのですが、こうした大発見には思わずほくそ笑んでしまいます。

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写真10 「T.REX OUT-TAKES」
有名なイギリスのロックバンド「Tレックス」の未発表音源集。正規のアルバムには、ティラノサウルスが描かれた物は無いようです。「Tレックス」は結成当時はティラノサウルス・レックスを名乗っていましたが、1970年にバンド名を短縮してTレックスとなりました。もしかしたらTレックスという略称は、古生物界よりもこちらの方が先だったのかもしれません。(1988)

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写真11 「TRICERATOPS」
Jポップにも同じ名のグループがいますが、こちらは3本角と3管編成(どちらもThree-horned)をかけた駄洒落系ジャズバンド。(1997)

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写真12 「DDDINOSAURS!」
ストラビンスキーやプロコフィエフ等近代クラシック音楽の巨匠の作品に、勝手に恐竜の名前のタイトルをつけてしまった怪作。子供をだましてクラシックを聞かせようと言う魂胆か?(1993)

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写真13 「その他。」
ここでは竜脚類が健闘しています。

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写真14
最後に珍しい楽譜を紹介しましょう。これは1933年のシカゴ万博の際に建てられたパビリオン「The World A Million Years Ago」のテーマ曲(?)のようです。「The World A Million Years Ago」についてはこちらのサイトに詳しく載っています。前述のドン“最強”グルットさんのサイトです。
https://donglutsdinosaurs.com/world-a-million-years-ago-program/
こちらも、館内の写真のようです。
https://www.flickr.com/photos/royal_reliquary/sets/72157623523429375/

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写真15
ネットから拾ってきたポスターの画像

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写真16
秘宝館Vol.55で一度紹介しましたが、シカゴ万博土産の鉄製ブロントサウルス。



さて、どんな曲か気になる方はこちらをどうぞ。私がライブハウスで演奏したものです。ジャズにアレンジしてあるので、譜面とは趣が異なりますが、メロディはおわかりいただけます。

《田村博トリオ+空閑美絵(ボーカル)Live at Adirondack Café》

上記が正しく表示されない場合下記「The_World_A_Million_Yeas_Ago.mp3」をクリックして下さい。

The_World_A_Million_Yeas_Ago.mp3


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田村 博 Hiroshi Tamura

ジャズピアニスト。1953年1月27日生まれ。
恐竜倶楽部草創期からのメンバー。恐竜グッズ収集家として知られる。東京、横浜のライブハウスを中心に活動中。
1996年に、ベースの金井英人のグループの一員としてネパールでコンサートを行った。「開運なんでも鑑定団」などテレビ番組や雑誌に度々登場。「婦人公論」2002年7/22号で糸井重里氏連載の「井戸端会議」で国立科学博物館研究室長・富田幸光氏と対談。千葉県市川市のタウン誌「月刊いちかわ」に、恐竜に関するエッセイを半年間連載。1998年の夏には群馬県と福島県の博物館の特別展にコレクションを提供。2000年夏には福井県「恐竜エキスポふくい2000」にコレクションを提供、サックス奏者、本多俊之とのデュオで、恐竜をテーマにしたコンサートを行った。