Vol.33 歩く恐竜たち III
私が子供の頃夢見た遊びのひとつに、ラジコン戦車の戦車戦というのがありまして、勿論当時のラジコン模型は子供の小遣いで買えるような代物では無かったので、夕闇迫る商店街の模型店のショーウインドウに飾られていた鈍く輝く全金属製の巨大な61式戦車を指を咥えて眺めていた…そんな甘酸っぱくも多分に脚色された記憶があります。2000年にマルイから1万円台で発売されたラジコン90式戦車とそれに続くシリーズで、40年来の夢がようやく叶いました。それまでのラジコン模型は大人にとってもちょいと高級なホビーで、私としましても恐竜との共存は無理な話だったわけです。
ここ数年のラジコン模型の価格破壊&性能向上で、電動恐竜も、無線操縦でなかなかの技を見せる優れ物が、お手ごろ価格で出回るようになりました。今回は私が初めて買ったラジコン恐竜で、その動きの良さにびっくりしたティラノ(前回紹介したJP IIのリモコン・ティラノの動きを更に進化させ、瞬きまでするが、残念ながら3点歩行)と、JP IIIのキャラクターグッズでほぼティラノと同様な動きのスピノサウルスを使って、ちょっと遊んでみました。
2001年公開のジュラシック・パークIIIでのティラノサウルスの扱いに憤りを感じたティラノファンの方は多いと思います。いくら主役のスピノサウルスの引き立て役とはいえ、前2作での勇姿は跡形も無し。登場シーンも眼が死んでいて緊張感に欠け、太り気味で、体色も心なし地味、とまるでいい所無く、あっと言う間に首を折られてスクリーンから退場です。これではあんまりだ!というわけで、ティラノサウルスの無念をはらすべく、我家の廊下でリターンマッチと相成りました。
という事で、メデタシメデタシです。
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田村 博 Hiroshi Tamura
ジャズピアニスト。1953年1月27日生まれ。
恐竜倶楽部草創期からのメンバー。恐竜グッズ収集家として知られる。東京、横浜のライブハウスを中心に活動中。
1996年に、ベースの金井英人のグループの一員としてネパールでコンサートを行った。「開運なんでも鑑定団」などテレビ番組や雑誌に度々登場。「婦人公論」2002年7/22号で糸井重里氏連載の「井戸端会議」で国立科学博物館研究室長・富田幸光氏と対談。千葉県市川市のタウン誌「月刊いちかわ」に、恐竜に関するエッセイを半年間連載。1998年の夏には群馬県と福島県の博物館の特別展にコレクションを提供。2000年夏には福井県「恐竜エキスポふくい2000」にコレクションを提供、サックス奏者、本多俊之とのデュオで、恐竜をテーマにしたコンサートを行った。