古生物のやわらか素材のあそべるフィギュア
新生代の中頃に繁栄した巨大ザメ、メガロドンのビニール製フィギュアです。小さなお子様が触れても安全な素材を使用しているため、リビングや子ども部屋に安心して遊んでいただけます。
メガロドンMegalodon
分類 :ネズミザメ目/ネズミザメ科/カルカロクレスまたはホホジロザメ属
サイズ :体長約16メートル
生息時代:新生代第三紀中新世 - 鮮新世
メガロドンは中新世から鮮新世の世界中の海に棲息していた巨大な顎を持つ鮫である。軟骨魚類であるため歯と椎体の化石しか残存していないが、その歯の大きさから全長16mに達したと推定されている。これは現生最大の魚類であるジンベエザメの1.5倍の大きさである。同時代に棲息していた大型のクジラの背骨や鰭の骨格化石に、メガロドンが付けたと思われる歯の痕が残っている例もある。また昔の日本では、メガロドンを含む大型の鮫の歯の化石は、正体不明の 恐ろしい「天狗の爪」と考えられていた。
監修者 徳川広和さん インタビュー
- 新生代の中ごろに繁栄し、サメの中では最大級だった「メガロドン」がソフトモデルとビニールモデルで登場となりました。徳川様が思われるメガロドンはどのようなイメージを持たれていますか?
- 大きなホホジロザメと想定すれば、似た姿の大型の現生動物がいない恐竜と違って、まだ生きている姿もイメージも出来そうですが、やはりその大きさはなかなか掴めないものです。そもそもホホジロザメも間近に見た事がありませんし。今回、メガロドンを自分で造形して、やっと自分の中でもメガロドンがイメージ出来るようになったような気がします。顔つきを見ると「ふてぶてしい」という感じが似合うように思うのですが、それが正解なのかどうかは勿論判らないですね。
- メガロドンは現生するホホジロザメと近縁という考えがありますが、大きさ以外では基本的には同じようなスタイルの生物だったのでしょうか?また、造型するにあたり参考にされた生物やイメージなどがあれば教えてください。
- ただ「大きいホホジロザメ」であれば、商品化も難しいかったと思います。商品化を打診された時に、まず今回のフィギュアの監修者でもある冨田先生にホホジロザメとの違いを伺い、「顎の形状から見て、ホホジロザメとは少し違う顔つきの可能性がある」との事でしたので、それならば商品化する意味もあると考えました。とはいえ、参考にするのはホホジロザメです。メガロドンとの違いを把握するためにも、ホホジロザメの写真や資料をじっくり見る所から始めました。
- 現生するサメとメガロドンとの決定的な違いなど、メガロドン特有の特徴などはあるのでしょうか?
- サメは軟骨魚類ですので、化石には軟骨質の脊椎等の胴体部が残る事は少なく、メガロドンも歯と顎からの全身の類推になります。また、サメは歯にその特徴が大きく現れ、それはメガロドンにも言える事なのですが、流石にフィギュアサイズではそれは詳細には表現出来ないので、先ほどにもあった顎の形状からくるホホジロザメとの顔つきの違いが今回のフィギュアの一番のポイントになっているはずです。
- 彩色のイメージはホホジロザメと共通するサメらしい彩色となっていますが、どのようなイメージを元に製作されましたか?
- ホホジロザメ以外での大型の海棲捕食脊椎動物となるとクジラ類・マッコウクジラやシャチくらいしか現生にはいません。流石にクジラの体色を参考にする訳にも行かないですし、やはりホホジロザメの色に準じる事になってしまいます。一点、監修の冨田先生から指摘で、背中側の色と腹側の色の境界はグラデーションにはせず、くっきりと塗り分けて欲しい、というのがありました。これもホホジロザメを元にした表現ですが、うっかりすると見逃してしまうポイントです。
- 最後に今回のモデルについてコメントをお願いします。
- ホホジロザメの近縁種で、姿も恐らくホホジロザメとほぼ同じながら、ホホジロザメではない、という微妙な違いを表現出来たのは冨田先生の監修があればこそです。私ではまず気付かない違いばかりでした。一方で、今回のメガロドンを造った事でホホジロザメについて沢山の事を知り、今度はホホジロザメにも興味が湧いて来ました。現生の動物と大きく違うデザインは古生物の大きな魅力ですが、メガロドンのように、現生のものと似ているようで微妙な違いがあり、そしてその違いに恐らく生態や当時の環境も反映されているのでは?といろいろと考えるのも、また古生物の楽しみ方の1つと思います。
監修者プロフィール
徳川広和(とくがわ ひろかず)
学術的な考証と立体物としての魅力が融合した作品をめざす恐竜・古生物復元模型作家。