新恐竜秘宝館

Vol.67 恐竜の夏が帰って来た!

「新たなる支配者」と共に,待ちに待った恐竜の夏が帰ってきました。その嬉しい報告は後程。まずは「JW3新たなる支配者」です。

 

驚いたことに、前回問題にした白亜紀でのティラノとギガノトの対決シーンは本編には登場しませんでした。という事はトレイラーの為だけにあのシーンを製作したという事なでしょうか。多少の疑問符は付いても、白亜紀の世界を大画面で観たかったのに残念…。

 

*ネット情報によると、カットされたのは私が余計な事を書いたせいでは勿論なく、単なる尺合わせで、いずれ出るであろう“完全版”では拝めそうとの事です。でも劇場では無理でしょうね…。

 

加えてティラノがドライブインシアターを襲うシーンやヘリでティラノを追跡するシーンもカットされ「T・レックスを確保するのに3年もかかった。」とのセリフ一言で片づけられています。

 

モサは今回もピンポイント出演で肩透かし。それどころが食べたのはベーリング海の「一攫千金漁船」の蟹を横取りしだけで人間はひとりも食べていません(船は転覆したのでその後の事は判りませんが)。しかし最後にザトウクジラ2頭とのスリーショットがあり(鯨よりはるかにデカい!)、画面では友好的でしたが、いずれお腹に収めるつもりなのでしょう。

 

マテルから新たなる支配者フィギュアとして発売されている、ラジャサウルス、クイルメサウルス、ヤンチュアノサウルス、メガラプトルはやはりJPフィギュア伝統の「映画には登場しないキャラ」でした。逆にミニサイズのフィギュアしか発売されていないリストロサウルスはなかなかいい役を与えられていました。

まさかのシリーズ初の古生代生物ディメトロドンも、何か懐かしい地底の怪物的味を出しまくっていましたが、あのスタイルで洞窟に住むのはいささか辛そう。せっかくの帆は体温調節の役にも立たないし天井につっかえるだろうし…などと思っていたらふと、映画「地底旅行」(1959)の地底海の岸辺で群れを成しているディメトロドンの姿が浮かんできました。元祖「地底ディメトロドン」です。さてはJP3の洞窟ディメトロドンはあの作品へのオマージュか?とは、深読みしすぎでしょうか。

ブルーとベータの親子しか出てこない(しかもオーウェンとお約束の挨拶を交わすだけ)ヴェロキラプトルの代わりに新顔のアトロキラプトルとシリーズ初の今様羽毛恐竜ピロラプトルが大活躍します。

羽毛恐竜はもう一種、初期のティラノサウルス類で小型のモロスが登場しますが、何故か日本ではフィギュアが発売されていません。

 

劇中研究者が、今では本当の恐竜の姿を再生することができるようになったと豪語する様なシーンがあったのですが、きっと羽毛恐竜の事を指しているのでしょうね。

 

ドレッドノータスが登場するシーンで「名前には怖いもの知らずという意味がある」とのセリフが入るのですが、確かに元になった戦艦ドレッドノートの名前はそうでしょうが、恐竜に学名をつけた(おそらく軍艦マニアの)研究者はその戦艦をイメージしていたはず。ちょっと的外れなセリフかなと思いました。

ドレッドノータスに和名を付けるとしたら「弩級龍」で決まりですね。

*マテルのドレッド、買ったのですが大きすぎて置き場所を確保するまでは組み立てられません。次回、その雄姿をお見せできるかどうか…。

 

最後はやはりティラノとギガノトの対決。暗闇でギガノトの特徴的なオリジナル背びれは2頭の識別に役に立っていて納得です。そこにまさかのアノ恐竜が乱入してアレレな展開になるのですがそれは見てのお楽しみ。

 

懐かしのメンバーが一堂に会して(…良かった)JPシリーズはこれで完結したわけですが、人間と恐竜が共存する世界が構築されてしまったので、スターウォーズの様にその世界を舞台にしたスピンオフ映画や、ひょっとするとTVドラマまで作られ、JP恐竜フィギュアが無限に発売され続けられたとしたら…私にとっては悪夢の始まりです。

 

映画館の売店はJW3グッズで溢れていましたが、シールやクリアファイル、ノートなど文房具系が多く、もう一つ食指が動きませんでした。とりあえず立体物だけ買ったのですが

 

 

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T・レックスの足跡コースターに歯のキーリング。この歯、どうもレプリカの様です。歯の後縁にセレーションも残っています。1000円ほどなのでお買い得かも。

ブルー親子のボトルキャップ。このような劇場限定フィギュアがたくさん欲しかったのですが、残念ながら、売られていたのはブルーだけでした。

 

さて、前回に引き続きギガノトサウルスフィギュアのご紹介。

 

 

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シリーズ初登場にして絶大なインパクトを残したギガノトサウルス。スクリーンには2008年の「センター・オブ・ジ・アース」に初登場していますが、その時は骨格がまるで反映されておらず、ただの巨大肉食恐竜でした。今回は装飾が施されボリュームアップされてはいますが、ギガノトらしくデザインされていると思います。

上段は、そんなJP3版ギガノト。前回は発売前で紹介できなかったマテルの「スーパーかみつき!ほえるギガノトサウルス」とアニアのギガノトです。

マテルの物は55cmと程良い巨大さで、背中のボタンを押すと上半身をくねらせる奇抜な動きをします。マテルにはさらに大きな1m近い「スーパービッグ」があるのですが、大味なのと、置き場がないので潔くパスです。

アニアは、いつもながら、尾の無意味な関節部分を切り取って隙間をなくしたい衝動にかられます。せっかく良いプロポーションなのにもったいない…。

中段は案の定セカイモンで見つけてしまったサファリの日本未輸入品。造形も塗装もシンプルですが、バランスが良く何か気品さえ漂っている様で見飽きません。前回紹介した同社の物より一回り大きく、50cm近くあります。

下段の頭骨は今どきの中国モノ。以前紹介したデイノケイルス骨格と同じメーカーの様です。よくできてはいるのですがわずか10cmしかなく、13000円は少々高い買い物でした。それにほぼ1/20サイズという事は、今後デイノケイルス同様の全身骨格が発売されるかもしれず、買いなおすはめになったらどうしようと一抹の不安を残す一品です。

 

 

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*私のギガノト自慢

19984月、私は故金子隆一さんに誘われて、フィラデルフィアで開催された古脊椎動物学会(SVP)とディノフェスタを見に行ったのですが(秘宝館Vol.20)、その打ち上げ会場となった自然科学アカデミー(アメリカ最古の自然史博物館だそうです!)に、ひょっとしたら世界初お披露目だったかもしれないギガノトサウルスの全身骨格が飾られていたのです。初めてギガノトを見た日本人の一人かもしれないぞ!という自慢話、まあ3か月後には「大恐竜展―失われた大陸ゴンドワナの支配者」で科博にやって来るのですが…。

画像3はその時の写真。右の写真にはカリー博士が写っています。

 

JW3のおかげでギガノトサウルスの知名度が高まった今こそ、その眷族、カルカロドントサウルス科の恐竜達が脚光を浴びる時です!

 

一般に、ジュラ紀はアロサウルス、白亜紀はティラノサウルスが地上を支配したみたいに言われますが、実のところは、長い長い白亜紀の大半はカルカロドントサウルス科の天下でした。北米ではアクロカントサウルス、アフリカではモロッコのカルカロドントサウルス、南米アルゼンチンではギガノトサウルスに、さらにごく最近、まるでJW3の公開に合わせたかのように、メラクセス・ギガスと名付けられた新種が発表され、格好の良さから話題になっています。

 

さらに中央アジア、ウズベキスタンから去年、日本の研究者によってウルグベグサウルスが報告されています。

wikipedia

 

ティラノサウルスの仲間が大型化したのはカルカロドントサウルス科が9000万年前、何らかの原因で衰退したおかげで、恐竜王ティラノサウルス・レックスに至っては白亜紀も最後の最後、マーストリヒト期の600万年間(200300万年という説もあり)、北米大陸に君臨したにすぎません。

 

一方カルカロドントサウルス科はアロサウルス上科の一員(映画の中で、初めてギガノトサウルスを見たオーウェンが「アロサウルス?」と聞いてしまう程面影あり)なので、アロサウルスの一族は少なく見積もっても、ジュラ紀後期(約15000万年前)から白亜紀後期の前期までの6000万年以上、地上の頂点捕食者だったわけで、家柄から言えばティラノの一族より上、肉食恐竜界きって名門です。恐竜ファンはもっと崇めるべきでは?

*ティラノよりアロが好きという恐竜マニアは、私の周りにも結構います。

 

哀しいことに、アロサウルスに至る進化の過程はよくわかりません。かろうじてジュラ紀の中期に先祖が現れたという記述を発見しましたが具体的な説明はありませんでした。ティラノ系はプロケラトサウルスやディロングなど続々と見つかっているというのにあんまりです。

 

いずれにしてもいきなりアロサウルスがモリソン層に出現するわけはないので、アロの時代は500万~1000万年位は前倒しされるでしょう。そして前述の様に出演もしていないのにフィギュアになっている、まだ分類が確定していないメガラプトル類がアロサウルス上科だとすると、アロサウルスの系統は、南米では白亜紀の終わりまで頂点に立っていたことになり(今年、日本の科博が発表したマイプ)、実に中生代の2/3近くをアロの一族が支配していたことになります。

 

*今どきの恐竜ファンはご存じないかもしれませんが、かっては肉食恐竜は大型のカルノサウルス類と小型のコエルロサウルス類の二つに分類され、ティラノはアロが進化したものと誰もが思い込んでいたのです。

現在では、早々に姿を消したコエロフィシス上科とヘレラサウルス類を除くと、ティラノや鳥などを含むコエルロサウルス類、アロ系のカルノサウルス類、スピノサウルス、トルヴォサウルスを含むメガロサウルス類の3系統で構成されるテタヌラ類と、このところ存在感を増している(前回の秘宝館をご覧あれ)ケラトサウルス類に分類されているようです。ケラトサウルス類もアロサウルス類以上に息が長く多様化した種族で、ジュラ紀前期に誕生し、ジュラ紀後期には植物食恐竜まで輩出、白亜紀にはカルノタウルスに代表される奇妙なアベリサウルス類として結局中生代の終わりまで生き残るのです。ただ肉食二番手というイメージが常につきまとい、例えば昭和の少年誌グラビアではケラトサウルスはアロサウルスにかなわなかったし、記憶に新しい所ではイスラ・ヌブラル島で、カルノタウルスがティラノに一捻りされていました。今回はカルノタウルスがバリオニクスとタッグを組みスポット出演、悪人を食べ溜飲を下げるシーンがありましたが、フィギュアになって期待されたマイナーなアベリサウルス類の出演はことごとくボツでした。(前回をご覧ください)

 

さて、説明が長くなってしまいましたがカルカロドントサウルス科恐竜のフィギュアご紹介です。まずは本家?カルカロドントサウルス

ですが…

 

 

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悲しいほど少ないです。左上はコレクタ、右はPNSO。下の段はマテルのJWディノエスケープシリーズのものでJPシリーズではゲームのみの登場でした。右は、あまりにも数が少なく寂しいのでアマゾンで急きょ購入した中国のEden Toysの製品で28cmもあるのに1500円を切る格安品。しかもそこそこの出来でお値段以上でした。他には中国モノが二つ三つと、サファリからも出ていたようです。「恐竜おもちゃの博物館」にこんなのもいました。

 

 

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2000年代前半に大阪のメーカー、ボーフォード・ジャパンがギガノトサウルスとカルカロドントサウルスの全身骨格模型を販売していました。「Dino-Era Museum」と銘打たれた1/35スケールの骨格模型シリーズで、他にティラノ、スピノがありました。なぜか世間にあまり出回らなかったようで、私はティラノしか持っていないのですが、パッケージが共通していて全種類の写真が載っているおかげで、珍しいギガノトとカルカロの骨格模型を並べて拝むことができます。

 

右の頭骨は、ハンドメイド雑貨を販売するCreemaというサイトで見つけたBs Labという陶芸作家さんの作品。マグネットになっています。ギガノトサウルスとカルカロドントサウルス。他にも各種頭骨を揃えています。

 

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ギガノトサウルスとカルカロドントサウルスの歯と頸椎(首の骨)です。

まずは歯。大きなものはギガノトサウルスのレプリカです。ギガノトの歯は市場に出ることはまずないそうで、レプリカでさえこのタイプ以外はお目にかかった事がありません。それに対し、下の3本、モロッコ産のカルカロドントサウルスの歯は本物なのですが、モササウルスやスピノサウルスに次いで大量に出回っています。値段も12万円と格安です。現在ヤフオクにも1万円以下の物がいくつか出品されています。

*大量に出回りすぎるのを怪しむ意見もあります。

 

頸椎は左がギガノト、右がカルカロ。当然のことながら似ているので、冗談で関節させてみました。カルカロの方が一回り大きいようです。部位の違いかもしれません。両方とも上部構造は失われています。

 

中段はギガノトを前後から見たところ。

 

そしてその下のカルカロドントは、上部がきれいに剥がれてスカスカの内部構造が良く見える珍しい物。これも前回の両生類同様、イタリアのZoicから何年か前に購入したのですが、店主のフラビオさんによれば、この状態は成長途中の亜成体だからという事でした。骨の表面もきれいに残っている素晴らしい化石です。

 

 

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アクロカントサウルスはわりと古くから知られている恐竜で、かってはアロサウルス科だったりメガロサウルス科、そして長めの神経棘を持つことから、まだアロ顔をしていたスピノサウルス類に分類されたり(新秘宝館Vol.20)と、波乱に満ちた長い歴史を持っています。ゆえにフィギュアの数もカルカロドントサウルス類の中では群を抜いています。

 

上段左は大型肉食恐竜完全制覇を目指す勢いのPNSO、右はトリッキーな姿勢をさせないと気が済まないPAPO

中段左はコレクタにサファリ。どれも個性的で良い出来です。アクロカントサウルスのスタイルはいじり易いのかもしれません。右は国産メーカーの物で、恐竜キング・恐竜王列伝(セガトイズ)、大恐竜時代(ハピネット)、メーカー不明3Dパズル、そしてチョコラザウルスです。

下段は骨格模型。いずれも海洋堂製のチョコラザウルスとカプセルQミュージアム・恐竜発掘記にr_planning製の組立て模型。そして新秘宝館Vol.21で紹介済みの、古谷良一さん作の見事な頭骨。久しぶりにケースから出して眺めましたが、惚れ惚れしました。

 

アクロカントフィギュアは他にRebor、シュライヒ、ジュラシックハンターの物などがあります。小さな物もいくつかありますがそれはこちらで。

恐竜おもちゃの博物館・展示室

 

カルカロドントサウルス類のトリを飾るのはマプサウルス。あまり聞き慣れない恐竜ですが、2009年に科博で開催された「大恐竜展・知られざる南半球の支配者」に幼体化石と共に来日、親子恐竜として評判になりました。


その後、マプサウルスが話題になることは無く、私もすっかり忘れてしまっていましたが、先日ある本の中にその名を発見、衝撃を受けました。その本は私の人生とは縁もゆかりもない「プリプリ」という保育雑誌。私が恐竜本の情報を集めているのを知っている知人が、「恐竜が載っているよ」と教えてくれたのです。「保育を記録して振り返る・10の姿につながる保育」というさっぱりわからない連載の第3回で「恐竜の化石」というタイトル。内容はと言うと、恐竜好きの3歳児A君が「マプサウルスの化石を見つけた!」と興奮してやって来るところから始まり、園児たちが、庭の小石を化石に見立て集めたり、ブロックで恐竜を作ったりしてそれらを陳列、博物館の様な空間を作って遊ぶ様子を報告し、専門家が座談会形式で恐竜あそびについて考察するのですが、もちろん誰一人「なんで3歳児がマプサウルスを知っているんだあ!」などとうろたえたりはしません。

 

3歳児が口にする恐竜の名が「ティラノ」でも「トリケラ」でも「ステゴ」でもなく「マプサウルス」というのは私にとっては驚愕以外の何ものでもありません。これも時代の流れなのか…。

確かにこの10年程、児童向け学習図鑑に載る恐竜の種類の多さは、大人向きのビジュアル図鑑などは足元にも及ばないほどですが、昨今、それが幼児絵本にも波及している様です。講談社が2020年に出版した「きょうりゅう300」という幼児向けの図鑑にはマプサウルスをはじめ、モロス、ティラノティタン、ツァーガン、テラトフォネウス…私などではすらすらと口に出せない恐竜が、リアルなイラストと名前のみで何の解説も無くズラリ並んでいます。まだ文字が読めない幼児も眺めて楽しめるようにという意図だそうです。A君が初めて恐竜を見たのはこの本だったかもしれません。

 

 

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3歳児A君が見つけた「化石」を、ネットから拾ったマプサウルスのイラストに並べた写真。ちゃんと背骨に沿っているところはアッパレ。(画像3)

*世界文化社プリプリ20226月号70ページより

*イラストはこちらを使用しているようです。

「きょうりゅう300」の表紙

 

下段右端のフィギュアは前述の2009年の大恐竜展で会場限定で売られた物です。あとの2頭は何故かマプサウルスにご執心のコレクタの製品。実はもう一種、デラックスというのがあるのですがさすがにもういいかと弱気になっています。他にはM-seeという中国メーカーの3万円近くして手が出ないジオラマモデルとユルイ出来のジュラシックハンターシリーズのものがあるくらいでちょっぴり寂しい…。

恐竜おもちゃの博物館」には、この他に、大恐竜展限定ヌイグルミとほねほねザウルスの「親子」がいます。

 

思わぬ展開でページを使ってしまいました。

JW3の話題は次回も、ことによっては年内いっぱい続けようと思うのですが、今回はアニアのシリーズを紹介して中締めです。

 

 

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パラサウロロフスは投げ縄シーンのポーズがとれるのがミソ。アトロキラプトルは他に色違いの3頭セットがあって、劇中と同様4頭を揃えられるのですが、劇中では色分けなどされておらず皆ライトグレー。そのカラーリングの一頭はセットに入っているという、なんとも切ないところです。

マテルにお手頃サイズの物が無いのは困りもの。

 

さて復活した夏の恐竜イベント。7月中にもうすでに3回も行きました。手短に戦果報告です。

 

化石ハンター展

科博で開催中の「化石ハンター展」の会場の前半は、アンドリュース探検隊100周年を記念しての展示で、映像や写真パネルなど、とても興味深かったのですが、土産物としては後半に展示されていたチベットで見つかったチベットケサイに尽きます。実物は、うたい文句のヒマラヤの超巨大獣と言うほどは巨大ではなかったものの、巨大な角はインパクト大でした。土産品もいい味を出していて、つい禁断のヌイグルミに手を出してしまいました。レーザーカットの骨格モデルも上出来。

 
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他に3Dプリンターによる頭骨の縮小レプリカもあるのですが、1万円近くもするのにあまりにも小さいので迷っています。ギガノトサウルス頭骨の教訓です。

10万円もするケサイ寝袋には笑えましたが、購入した方いるのでしょうか。

 

ワンダーフェスティバル2022

久し振りに幕張まで行ってきました。やはりあの変わらぬヲタクの聖地感は心地良いです。期待したほど古生物関係は無かったのですが、収穫はありました。

 

 

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ダンクレオステウスとスミロドンの頭骨は大阪のECC美容専門学校の生徒さんの作品。3Dプリンターで作ったものだそうですが、とても精度が高いプリンター(学校の備品?)を使用している様で積層も判りません。おまけにこの見事な彩色済みで3000円とは嬉しい価格破壊です。売っていたのはメイド姿の可愛い女の子たちで、そのなんとも言えないギャップが楽しめました。

 

ディフォルメ・スピノサウルスはSINZEN造形研究所の竹内シンゼンさんの作品。5月に出版された著書「粘土で作る!いきもの造形恐竜編」を会場で購入した人に2000円で配布していたガレージキットです。本はすでに持っていたので、キットの裏にサインしてもらいました。シンゼンさんとも久しぶりで、「もうすぐ知り合って30年ですね~」とか昔話もでき、良い時間をすごせました。レジンキットを作ったのも久しぶり、と言ってもパーティングラインを消して色を塗っただけですが。

 

古生物創作合同展示会

こちらも新秘宝館Vol.50でリポートして以来3年ぶりの開催でした。前回の灼熱の横浜の爬虫類喫茶とはうって変わって、今回は冷房の効いた池袋の地下のレンタルスペースでしたが、集うメンバーは相変わらずのディープな恐竜人たちです。主宰の山本聖士さんと最近「新・恐竜骨格図集」でメジャーデビューしたらえらぷすさんことG.Masukawaさんの骨格図談義も聞けたし、らえらぷすさんにカルカロドントサウルス類について直接質問をさせてもらったりと、有意義な時間でしたが、なんといっても恐竜好きが集まって和んでいる空間に居合わすことができるのは喜びです。

この日の戦利品

 

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ミニチュアは鎧竜好きアサイナさんのサウロペルタとディプロカウルス。こんな眼で見つめられたら買うしかありません。前回購入したヴェロキと並んで我が家の棚に収まっています。円いのは、漫画家森本はつえさんが作ったコルク製コースター。使い込んだ非売品でしたが頂いてきました。悪魔の様なヴェロキがカッコイイ!右はシザーハンズさんを彷彿とさせる切り紙細工。まくべろくろうさんという若い方の作品です。リクエストするとその場で作ってくれるのですが、なんと一回100円。なのに始祖鳥はともかく、手間がかかりそうなカルカロドントサウルス頭骨をリクエストしてしまって申し訳ないことをしました。出来栄えはご覧の通り!

下は会場で思わず買い漁ってしまった同人誌の数々。説明しなくても表紙だけで充分ディープさが伝わるでしょう。

 

まだまだ恐竜の夏は続きます。8月初旬には岐阜・荘川町の化石フォーラムに参加します。荘川に行くのは20年ぶり位でしょうか。懐かしい顔に会えるし、研究者の方々の為になる話も聞けるので楽しみです。

8月は横浜のみなとみらいでも恐竜イベントがありますし、8月の末からは、神保町奥野かるた店で恒例の「ヴンダーカンマー」も開催されます。川崎水族館でも何かやっているようですし、とにかく行けるところは行ってみるつもりです。

次回のレポートをお楽しみに。


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田村 博 Hiroshi Tamura

ジャズピアニスト。1953年1月27日生まれ。
恐竜倶楽部草創期からのメンバー。恐竜グッズ収集家として知られる。東京、横浜のライブハウスを中心に活動中。
1996年に、ベースの金井英人のグループの一員としてネパールでコンサートを行った。「開運なんでも鑑定団」などテレビ番組や雑誌に度々登場。「婦人公論」2002年7/22号で糸井重里氏連載の「井戸端会議」で国立科学博物館研究室長・富田幸光氏と対談。千葉県市川市のタウン誌「月刊いちかわ」に、恐竜に関するエッセイを半年間連載。1998年の夏には群馬県と福島県の博物館の特別展にコレクションを提供。2000年夏には福井県「恐竜エキスポふくい2000」にコレクションを提供、サックス奏者、本多俊之とのデュオで、恐竜をテーマにしたコンサートを行った。