Vol.37 昭和ソフビ恐竜大全 - 50年代前期編
前回も書きましたが、恐竜ソフビトイの情報は殆ど無く、年代同定は至難の業。今回紹介するマルシン「大恐竜」シリーズも、付いているSTマークの古さ(マークの実施は昭和46年から)や、最初に手に入れた時のおぼろげな記憶から昭和50年代前半の物と決め付けた次第です。
当時まだ初心者コレクターだった私は、デパート等でこの手の恐竜玩具を買っては当然の様にパッケージを捨て、あろうことかリペイントまでしてしまうというコレクターにあるまじき体たらく。数年前に下北沢の店で、若気の至りで彩色してしまった河田というメーカーのソフビ・ブロントサウルスが大枚8千円で売られていたのを見つけた時は、8千円の価値は無いとは思いつつも後悔の念のあまりついつい買ってしまいました…。(写真 1)
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A)ユーパルケリア(かって恐竜の祖先として図鑑の常連だった槽歯類だが最近影が薄い。知っている限り唯一のモデル化)B)ノトサウルス(これもめったにモデル化されない…痛恨のリペイント)C)エダフォサウルス(ディメトロドンの陰に隠れたこれも少数派)D)ステゴサウルス E)ブロントサウルス F)ディプロドクス G)アロサウルス H)イグアノドン I)ティラノサウルス J)トリケラトプス。
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写真 3はオークションで入手した未開封品。左からヒプシロフォドン・パキケファロサウルス・アンキロサウルス・サウロロフス・マンモス。
他にケントロサウルス・スティラコサウルス・タルボサウルスの存在を確認…と、当時としてはたいした充実ぶり。パッケージ裏にそれぞれの恐竜の解説(写真 4)が、更に「恐竜ってなんだろう?」と題したかなり大人向きの解説と系統樹が書かれた紙が封入されています。マルシンには大きなサイズの「大恐竜」もあったのですが(写真 5)、詳細は不明です。
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他の玩具メーカー、タカトク(写真 6)とアーク(写真 7)も似たようなソフビ恐竜シリーズを出していましたが、マルシンに比べるとオザナリ感は拭えません。
次回は「クローバー」の1/50統一スケール恐竜シリーズを中心に大分恐竜らしくなった昭和50年代後半の恐竜ソフビを紹介します。
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田村 博 Hiroshi Tamura
ジャズピアニスト。1953年1月27日生まれ。
恐竜倶楽部草創期からのメンバー。恐竜グッズ収集家として知られる。東京、横浜のライブハウスを中心に活動中。
1996年に、ベースの金井英人のグループの一員としてネパールでコンサートを行った。「開運なんでも鑑定団」などテレビ番組や雑誌に度々登場。「婦人公論」2002年7/22号で糸井重里氏連載の「井戸端会議」で国立科学博物館研究室長・富田幸光氏と対談。千葉県市川市のタウン誌「月刊いちかわ」に、恐竜に関するエッセイを半年間連載。1998年の夏には群馬県と福島県の博物館の特別展にコレクションを提供。2000年夏には福井県「恐竜エキスポふくい2000」にコレクションを提供、サックス奏者、本多俊之とのデュオで、恐竜をテーマにしたコンサートを行った。