古代魚のソフト素材を使用したあつめるフィギュア
全長が1m近くにまで成長するアロワナの中でも大型種シルバーアロワナのPVC製フィギュアです。コレクションしやすいサイズで、遊ぶだけでなくディスプレイとしてもお楽しみいただけます。
シルバーアロワナSilver arowana
分類 :アロワナ目/アロワナ科/アロワナ亜科
サイズ :体長約1メートル
生息地域:南米の河川
シルバーアロワナは、全長が1m近くにまで成長するアロワナの中でも大型種である。およそ5,000万年前からほとんど姿が変化していない「生きた化石」である。体高に比べて厚みのない側扁した体型で、表面は大きな鱗に覆われている。尻鰭と背鰭は長く、体の半分ほどであるが、尾鰭は小さい。口は水面の獲物を狙うために上方に向かって開く。下顎の先には2本の髭があり、水面に落ちてくる虫などを感知するためのセンサーの役割を持っている。アマゾン川流域では、食用としてだけでなく、競技釣りの対象魚としても人気がある。日本では、稚魚の入手が容易で飼育のしやすさから観賞魚としてポピュラーな魚である。
監修者 守亜和由喜さん インタビュー
- エンシェント フィッシュ「古代魚」シリーズはフェバリットで新たにラインナップに加わった新カテゴリーとなります。まず“古代魚”とはどのような生物なのでしょうか?
- 古代魚と一言で言ってもいくつかの解釈がありますが、一番簡単に言ってしまうならば「古い形質を残したまま現在まで生き残っている現生魚類」ということが言えると思います。今回のシリーズではシーラカンスが一番歴史的に古く、シルバーアロワナは比較的新しくでてきた古代魚です。
- はるか昔から現在まで地球上で生き続けてきた“生きた化石”とも呼ばれる古代魚ですが、その太古の姿にはどのような特徴や生態、魅力があるのでしょうか?
- 生息地はアマゾン河ですが水族館や街の熱帯魚ショップでも多く見かけることができるなじみ深い魚で、アロワナという名前を聞いたことがある方は多いのではないでしょうか。今回製作した4種の古代魚の中では比較的新しく出てきた魚なので、他の3種と比べると多くの人が思い浮かべる一般的な魚に近い形をしていると思います。しかしよく見ると各所に古代魚の特徴をみつけられると思います。頭部の形状は水面や、時に水上の枝などにとまっている獲物を捕らえるために極端に上を向いています。下あごの先端には2本のひげ状の感覚器があり学名の由来ともなっています。目も顔の上部にありそれがさらに横に飛び出すような形状であることから広い視野を持ち感覚器や匂いだけでなく視覚に頼って獲物を見つける魚であることがわかります。身体はその名の通り銀色に光る大きな鱗が並んでいて、シルエットもとても優雅です。長く続く背鰭の後ろには比較的小さな尾鰭、これも古代魚の特徴のひとつで、尾鰭だけでなく身体の後半部にある鰭のすべてを使って推進力を得ています。
- 塗装を含む原型製作を今回ご担当いただきました。それぞれどのようなコンセプトを元に製作されましたか?また、製作するにあたり特に注意された点はありますか?
- 1mクラスに育った貫禄ある老成個体をモチーフにして製作しています。いろいろな角度から眺めていただければ意思を持って前方へ泳いでいくようなイメージを感じてもらえると思います。今回製作した他の3種にも言えますが「動き」に注目してみていただいても面白いと思います。個人的な話になりますが、シルバーアロワナを飼いたいけれど飼えなかった、だからせめて模型を作ったという中学生時代から私の動物造形のキャリアが始まりました。思い入れたっぷりに悠々と泳ぐシルバーアロワナを再現しています。
- 魚類研究家の五十嵐 利明氏に監修を依頼いたしましたが、具体的にどのようなディスカッションがあったのでしょうか?
- 全体を見回す大きな視点と細部の正確さの両面で指摘をいただきつつ注意深く製作作業を進めました。立体物において最大の課題である「物としての存在感や量感」は画像だけでは伝わりませんので直接お会いしてプロポーションや全体の雰囲気、さらにはいまこの魚はどのような状態にあるのかというところまで話し合いました。また、細部の形状や数値にも指摘が入りました。つまりは鱗や鰭条の数や側線の形、模様の入り方などです。 また、魚の本来の姿は野生下で成熟したものであり、水槽などで飼われている個体は野生のものと比べると体型や細部においても少し差異がでてきます。ですが野生での環境は厳しく、成熟する間にヒレなどは裂けたりする場合もありますし、体にも多少の傷がつきます。そういった意味では今回のシリーズは野生の本来の姿を生き写しにしつつ、傷一つなく育ったある意味ではありえないくらいパーフェクトに理想的な姿を作り出すことが最大のコンセプトでした。
- 最後にエンシェントフィッシュシリーズについてコメントをお願いします。
- その魚が生きて泳いでいる姿を写し取るというのが最大のコンセプトです。活き活きとした姿をそのまま切り取ったような情景を感じてください。また一方でひとたび手に取れば、その魚の詳細な姿が浮かび上がります。彫り込まれた頭部や鱗を眺めてください。手の中でボリューム感を感じてください。飾って楽しむこと、手に取って遊ぶことの両方でお楽しみいただけたら嬉しいです。
監修者プロフィール
守亜和由喜(もりあ かずゆき)
自然史系造形作家。
「私的熱帯世界」をコンセプトにしている。造形、平面問わず幅広く表現し、個展やグループ展など多数開催している。
アクアフィッシュ ミニモデルの造形及び監修を担当。