新恐竜秘宝館

Vol.59 ジャングル・スワンプを作る!

とうとう作ってしまいました。25年もの間老後の楽しみとしてとっておいたオーロラのジャングル・スワンプ。前々回にランフォリンクスをお見せして、次はこれを作るかもと軽口をたたいたのが本当になってしまいました。最初に秘宝館でこれを紹介したのは秘宝館Vol.10ですから、もうかれこれ20年以上前になります。職業柄自覚は無いのですが、年齢から言えばもう立派な老後、こんな世の中いつ何時どうなるか判らないので作れるうちに作ってしまおうというストック一掃計画で、この一年ずいぶんいろいろと作ってきましたが、ジャングル・スワンプは特別なものがあります。もちろん「開運なんでも鑑定団」出演の思い出です。まずはそちらから。

 

n_hihoukan_no1.png

1996514日放送の「開運!なんでも鑑定団」はこんな感じでした。VHSビデオをブラウン管テレビで再生して写真を撮ったのでひどい画像ですが悪しからず。(画像1)

 

レポーターの女性がドアを開けるとそこは恐竜世界だった!これは秘宝館Vol.15から4回にわたって紹介した自作のジオラマに女性レポーターを合成するという嬉しい演出です。

「どこからかピアノの音色が」というナレーションで私の紹介。恐竜電話などおもしろグッズを紹介した後、「これを探しています。」とおもむろに箱の絵を指し示し「2万円でお願いします!」WANTED

 

秘宝館Vol.10Vol.57も併せてご覧ください。

n_hihoukan_no2.png

満を持して作り始めます。

箱から出したての時と仮組した状態(画像2)。気合をそがれるようなプラスチックの色ですが…。

n_hihoukan_no3.png

いざ組んでみるとなかなか立派な物でした(画像3)。小動物や植物をこまごまと塗り分けるのに3日ほどかかりましたが、楽しい時間でした。

n_hihoukan_no4.png

(画像4)時代を超越した小動物たち。

ランフォリンクス、池から頭だけ出しているディプロカウルス、キューネオサウルス、エオヒップス、不思議な姿のコンプソグナトゥス、ランフォリンクス単体、蛇、そして始祖鳥4態です。ランフォリンクスと始祖鳥はブリアンの色を意識しました。このキットのような小物セットはオーロラのお家芸で、看板の怪奇物でも骸骨やネズミや蝙蝠などをセットにしたものが売られていました。

n_hihoukan_no5.png

(画像5)他のオーロラキットに情景小物として入っていいた物です。フォルスラコスに付いていたキューネオサウルスはジャングル・スワンプの物と同じです。ディプロカウルスはディメトロドンに付いていたもの。この二匹をジャングル・スワンプの同類と共演させてみました。

頭骨はホラアナグマのものと、「Prehistric Scenes 」シリーズ中最後に手つかずで残った「CAVE」の、洞窟内に転がっているスミロドンのものです。この洞窟は本当に洞窟の壁を作るキットで、焚火の跡とかはあるものの生物の痕跡と言えるものはこのスミロドンの骨がいくつかあるだけです。はたして作っていて楽しいのものだろうかと心配してしまいます。

 

他のメーカーの情景用小古生物も集めてみました。

n_hihoukan_no6.png

(画像6)は秘宝館Vol.18で紹介したライフライク社のジオラマキット3種についていた小物です。このジオラマはメインの恐竜はさらに時代をさかのぼったパイロ―社の製品(秘宝館Vol.56)なのですがジオラマベースや小動物、植物はライフライク社オリジナルの様です。植物などオーロラより良くできています。

木登りヒプシロフォドン、キノグナトゥス、ディキノドン、ディモルフォドン、ヘノドゥス(?)、タニストロフェウス、そして原人・猿人です。なかなか味があります。

n_hihoukan_no7.png

(画像7)タミヤの「恐竜世界シリーズ」。さすがに良くできています。90年代の物ですが、ひどい出来だった80年代の旧恐竜シリーズの汚名を立派に挽回しました。

木登りしていないヒプシロフォドンにオビラプトル。時代を感じさせます。ワニも素晴らしい出来です。ティラノサウルスの足元に転がっていたパラサウロロフスの骨もちゃんと塗ってやるとご覧の通りいい感じです。

n_hihoukan_no8.png

そして今回ジャングル・スワンプ制作を記念して、2000年に発売された新しいオーロラブランド3部作(秘宝館Vo.l.57新秘宝館Vol.57)の最後の一匹、トリケラトプスを作ってしまいました。(画像8)

前々回作ったプテラノドンよりはましですが、やはり再び憤ってしまいました。

 

さて突然ですが、本を出すことになりました。

「日本昭和トンデモ恐竜大全」というタイトルで、辰巳出版のムック「昭和トンデモ大全」シリーズの一冊です。今月の14日発売です。

詳細はこちら>>

タイトルどおり、昭和の時代の少年誌の恐竜特集やら、しょうもないソフビなど、怪獣と区別がつかない懐かしい姿をした恐竜達のオンパレードで、恐竜の知識を得るためには何の役にも立たない本ですが、それでもゴジラ公開当時の古生物界の状況とか、明治から戦後にかけての日本恐竜史年表などを、ちょっと調べて書いたりもしていますので、秘宝館をお読みの方には楽しんでいただけると思います。読んでいただけたら嬉しいです。


前の記事 次の記事

田村 博 Hiroshi Tamura

ジャズピアニスト。1953年1月27日生まれ。
恐竜倶楽部草創期からのメンバー。恐竜グッズ収集家として知られる。東京、横浜のライブハウスを中心に活動中。
1996年に、ベースの金井英人のグループの一員としてネパールでコンサートを行った。「開運なんでも鑑定団」などテレビ番組や雑誌に度々登場。「婦人公論」2002年7/22号で糸井重里氏連載の「井戸端会議」で国立科学博物館研究室長・富田幸光氏と対談。千葉県市川市のタウン誌「月刊いちかわ」に、恐竜に関するエッセイを半年間連載。1998年の夏には群馬県と福島県の博物館の特別展にコレクションを提供。2000年夏には福井県「恐竜エキスポふくい2000」にコレクションを提供、サックス奏者、本多俊之とのデュオで、恐竜をテーマにしたコンサートを行った。