新恐竜秘宝館

Vol.16 秘宝館の全貌〜其の拾 青春ジオラマ編中編

さて、地面の次は湖面作りですが、これがなかなか難航しました。模型雑誌によると、水面の定番は透明レジンとの事だったので試してみたのですが、薄くて広い面積だと反り返ってしまう事が判明、情景模型用「水の素」という透明なワックスも透明度が低くてダメ、結局またしても透明プラ板のお世話になる事に。まずはベースの板の上に濃淡をつけた緑色(沼という設定なので)を塗り、厚めの透明プラ板を置き、さらにその上にリキテックスの透明盛上げ剤「ジェルメディウム」で波を表現、その上に大英自然史製のディプロドクスの下半分をカットした物を置いてその周囲は念入りに波を作り、さらに波頭を白く塗ると、これがなかなか良い感じになりました。

そして、まだ何も無い剥き出しの地表に植物を進出させます。地球の歴史で言うとデボン紀ですね。大量に仕入れたトロピカルグッズ椰子の葉は1枚1枚形を整え色を塗って地表を埋めるシダ類に、それよりも少し高級なジオラマ用椰子の木のプラモデル(たしかミリタリー用で、太平洋戦争の南方戦線を描いたパッケージだったと思います)は、ちょっと手を加えてソテツという事にしました。ベネチテス類という絶滅した裸子植物は、図鑑を見ながらエポキシパテでそれらしく作ります。水面に生えているトクサは—これはちょっと自慢したいのですが—実はヨウジを削って作った物です。我ながら良いひらめきだったと思っています。とにかく植物は数が多いので時間がかかりました。

地面に散在する岩は本物の恐竜の骨です。今でこそ、恐竜の実物化石は、歯、爪、椎骨は言うに及ばず、頭骨から時には全身骨格まで、私の様な素人の身でも手に入れられるのですが、当時はこうした骨片しか出回っておらず、けっこう有難い物だったのです。それを心の中で手を合わせつつ(?)砕いてばら撒きました。結果、いいアクセントになったので、骨の持ち主の恐竜も1億5千万年の時を経て成仏してくれた事でしょう。
次回は主役の恐竜と、我ながら生涯最高の傑作と自負する…?背景画についてお話しましょう。


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田村 博 Hiroshi Tamura

ジャズピアニスト。1953年1月27日生まれ。
恐竜倶楽部草創期からのメンバー。恐竜グッズ収集家として知られる。東京、横浜のライブハウスを中心に活動中。
1996年に、ベースの金井英人のグループの一員としてネパールでコンサートを行った。「開運なんでも鑑定団」などテレビ番組や雑誌に度々登場。「婦人公論」2002年7/22号で糸井重里氏連載の「井戸端会議」で国立科学博物館研究室長・富田幸光氏と対談。千葉県市川市のタウン誌「月刊いちかわ」に、恐竜に関するエッセイを半年間連載。1998年の夏には群馬県と福島県の博物館の特別展にコレクションを提供。2000年夏には福井県「恐竜エキスポふくい2000」にコレクションを提供、サックス奏者、本多俊之とのデュオで、恐竜をテーマにしたコンサートを行った。