新恐竜秘宝館

Vol.27 祝・キング・コング公開

キングコング

こんなに映画の封切りが待遠しかったのは「ジュラシック・パーク」以来です。何度か噂されてその都度立ち消えになったキング・コングの初リメイク版(‘76年のラウレンティスの駄作は無かった事に。恐竜が出てこないコングなんて!)が、オリジナルから実に70余年の時を経て、ついに公開されました(と言っても、これを書いている時点ではまだ未来の話、期待と妄想を膨らませている状態ですが)。
コング王の帰還を祝って、秘宝館でもお宝コンググッズ大公開と行きたい所ですが…コングと言えども所詮ただのでかいサル、私のコレクションの守備範囲では無いので、唯一の物がいつ買ったかさえも判らないソフビ・コング(写真1:米ユニバーサルスタジオ製1983)という有様。なかなか良く出来てはいるのですが。
収集対象となる敵役の恐竜達—恐竜ファンにとってはこちらが主役?恐竜側の人間は、この1933年の映画を恐竜映画の傑作として捉えています—は残念ながら殆どモデル化されなかったようです(コングVSプテラノドンという名シーンを再現したレジン・キットがあった様な記憶もありますが…)。

仕方ないのでこんな物を作ってみました(写真2)。今回の映画公開に合わせて発売されたX-Plus製1933年版暴君竜を、名高い顎掻きポーズに改造しました。
顎(あるいは耳の後ろ?)掻きポーズとは…

映画に登場する顎掻き恐竜たち

33年版コングで、ティラノサウルスが初めて画面に登場した直後にするしぐさで、何故かその後のモデル・アニメーションを使った恐竜映画で肉食恐竜が登場する際のお約束事になっています。レイ・ハリーハウゼンの「恐竜グワンジ」(1969)の場合は33年版コングをアニメートした、師匠ののオブライエンへのオマージュでしょうが、その後78年の「恐竜の惑星」(やる気の無さそうな男女の集団が右往左往するだけのしょもない映画ですが、恐竜は沢山出てくるので)や96年の「ダイナソーウォーズ」(掻くのはカルノタウルス!その為?手が長くなっている)あたりではただのシャレか。同じく96年に世界最強の恐竜マニア、ドン・グラットさんが作った遊び心満載の「ダイナソー・パニック」(ひどい邦題だ!)ではひねりを利かせて、食われ役のハドロサウルスが掻きます。珍しいところでは、あの「ジュラシック・パーク」のテスト用映像で、現代のアニメートの巨匠フィル・ティペットが本編でのCGの原型となったモデル・アニメーションのTレックスに、やらせています。

はたしてVレックスは顎を掻いてくれるでしょうか?楽しみです。 次回もコング!出演する恐竜に焦点をあてて書いてみたいと思います。

おまけ:こんな物もありました。クリスマスのオーナメントです。メリー・クリスマス!

クリスマスのオーナメント

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田村 博 Hiroshi Tamura

ジャズピアニスト。1953年1月27日生まれ。
恐竜倶楽部草創期からのメンバー。恐竜グッズ収集家として知られる。東京、横浜のライブハウスを中心に活動中。
1996年に、ベースの金井英人のグループの一員としてネパールでコンサートを行った。「開運なんでも鑑定団」などテレビ番組や雑誌に度々登場。「婦人公論」2002年7/22号で糸井重里氏連載の「井戸端会議」で国立科学博物館研究室長・富田幸光氏と対談。千葉県市川市のタウン誌「月刊いちかわ」に、恐竜に関するエッセイを半年間連載。1998年の夏には群馬県と福島県の博物館の特別展にコレクションを提供。2000年夏には福井県「恐竜エキスポふくい2000」にコレクションを提供、サックス奏者、本多俊之とのデュオで、恐竜をテーマにしたコンサートを行った。