Vol.7 秘宝館の全貌〜其の壱 開かずのピアノ
今回から、我秘宝館の隅々をご覧頂こうと思います。まずは恐竜と並び私の人生の中核をなすピアノの上をご案内しましょう。
ヤマハC3グランドピアノの閉めた蓋の上は、やたら存在感のあるアルバートサウルスの頭骨のレプリカを中心に、レプリカや骨格模型、それにちょっとした実物化石といった骨関係の物で埋めつくされています。
上の写真は鍵盤側から見た所で、手前の白い物はモロッコ産のカメ頭骨とワニの椎骨、その後ろにモンゴルのアンキロサウルスの肩甲骨(以上本物)、横にヴェロキラプトルの足のレプリカ。骨格は海洋堂のヴェロキラプトルとフタバスズキリュウのレジンキットにグレンコーモデルのブロントサウルスのプラモデル、始祖鳥化石と称する中国製作り物レリーフ。そしてアルバートサウルスの手前にTレックスの下顎レプリカと、大味なソフトビニール製頭骨模型が並んでいます。
上の写真の3つ並んだティラノの頭骨は、左からブラックヒルズ製のスー、スタン、そして関西の造形師、村瀬善明氏の作品。隣のトリケラトプスとパキリノサウルスも同氏の手になる物で、いずれも素晴らしい出来ですが製品化されなかった幻の一品です。トリケラの後ろに見えるのはマッソスポンディルスのレリーフ状頭骨レプリカ。後方のティラノ全身骨格は海洋堂のキットです。緑色の折り紙のアルバートサウルス(松本和也氏作)もいます。
上の写真はピアノの後方からの眺めです。海洋堂ティラノの横にはグレンコーモデルのティラノ骨格プラモデル2体(1体は現代風に改造)。手前に置かれた台には歯や爪などのレプリカや海洋堂製「立ち上がったトリケラトプス」。その横にモロッコ産大形獣脚類の実物尾椎骨、オレオドン頭骨。天井から下がっているのは紙でできたティラノ骨格です。
ご存知のように、グランドピアノは上の蓋を開けないと調律が出来ないのですが、これだけの物が乗っているとおいそれとは開けられません。ピアニストとして大きな声では言えませんが、実はもう10年以上調律していないので、中世ヨーロッパ:ピタゴラス音階を通りこして中生代パンゲア音階になっています。
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田村 博 Hiroshi Tamura
ジャズピアニスト。1953年1月27日生まれ。
恐竜倶楽部草創期からのメンバー。恐竜グッズ収集家として知られる。東京、横浜のライブハウスを中心に活動中。
1996年に、ベースの金井英人のグループの一員としてネパールでコンサートを行った。「開運なんでも鑑定団」などテレビ番組や雑誌に度々登場。「婦人公論」2002年7/22号で糸井重里氏連載の「井戸端会議」で国立科学博物館研究室長・富田幸光氏と対談。千葉県市川市のタウン誌「月刊いちかわ」に、恐竜に関するエッセイを半年間連載。1998年の夏には群馬県と福島県の博物館の特別展にコレクションを提供。2000年夏には福井県「恐竜エキスポふくい2000」にコレクションを提供、サックス奏者、本多俊之とのデュオで、恐竜をテーマにしたコンサートを行った。