Vol.21 年忘れ!一点モノコレクション自慢大会
とまあテキトーな題を付けてしまいましたが、我が家にしかない恐竜フィギュアを「自慢しちゃうゾ!」特集です。以前にも、荒木さん作のオルニトレステス(秘宝館Vol.61 )、アイヌ老人イソリさんの木彫りのクッシ―(秘宝館Vol.2&Vol.47)、手捻り陶器恐竜(新・秘宝館Vol.18)等一点物を小出しに紹介してきましたが、今回は一気に歳末大放出です。
まずは在野の凄腕恐竜造形師、古屋良一さんの作品。古屋さんの手作りの骨格模型はそれは見事な物ですが、お値段の方はというとその手間を考えると恐縮してしまう程。以前はミネラルショーなどで少数販売された事もあり、また欲しい恐竜をリクエストする事も出来ました。このところちょっとご無沙汰していますが、また是非とも新作を我家にお迎えしたいところです。
(写真1) アクロカントサウルス(1/4位のサイズ)
10年以上も前に池袋のミネラルショーで購入。その時隣にタルボサウルスもあり、そちらは漫画家の所十三さんの所に行きました。2002年、幕張メッセの恐竜博で日本初お目見えしたアクロカントサウルスの全身骨格を、観察したおして制作したという、私などが個人所有しているのがもったいない様な作品。
(写真2) ブラキオサウルス壁掛け(頭長9cm位)
恐竜骨格部屋の入口を飾っています。細いピアノ線一本で補強されているだけなのですが、震災を生き延びました!。
(写真3,4) スー(ブラックヒルズ・バージョン1/10程)
身売りされる前、BHI 2033時代のまだ母岩に半分埋まっている有名な写真から起こした、もしかしたら世界唯一の3Dモデル(レリーフ状の物はありますが)。裏のサインは発見者スーザン・ヘンドリクソンさんの直筆です!2005年、科博でのスーお披露目レセプションのため来日したスーザンさんに、直接お会いは出来なかったのですが知り合いの関係者に頼んでお願いしたもの。スーザンさんがとても欲しがっていたそうです。
(写真5) コエロフィシス(1/1)
これは私が資料を提供してリクエストしたもの。もう大満足です。
(写真6) は木製骨格模型で有名なタブリンさんの作品。1/10のアロサウルスです。タブリンさんの骨格モデルは博物館などでご覧になった方もいると思いますが、手にとって眺めると木の質感とも相まってやはり素晴らしい!個人で持っている人は少ないと思います。つい自慢したくなる一品です。
タブリンさんの作品はこちらで見る事が出来ます。
(写真7) は、今年の夏に科学技術館で開催された「博物館ふぇすてぃばる!」で見つけ、そのあまりの繊細さに目を見張り即購入した、浅見雅信さん作のランフォリンクス。なんと切り紙細工です。歯や爪など細かさは正に神業的。軽くて本当に飛んで行ってしまいそうです。翼長33cm程。浅見さんのブログで他の作品を見る事が出来ます。
(写真8) ヤフオクで手に入れたケラトサウルス石膏像。商品説明のコピーです。
【相曽秀之助作恐竜の石膏像(1960年製作)
相曾秀之助は国会議事堂の彫刻レリーフに携わり、石膏像をブロンズ様に着色する特許を持つ彫刻家。ブロンズ像を作るときの原形用として作った石膏モデルを本人のコレクションサンプルとして相曾氏のアトリエに残されていたもの。】
何やらありがたい物の様です。でも顔が怖すぎます…。高さ42cm。
(写真9) これは思い出の品です。1980年代の初め、まだ駆け出しの恐竜コレクターだった私は、行きつけの模型店のショーウィンドウに見事に改造されたタミヤ製ティラノサウルスを見つけ無理を言って譲ってもらったのですが(秘宝館Vol.60)、その時一緒に購入した石膏製ティラノサウルスです。作者は同一人物だと思われますが不明です。今見てもいい顔してます。35cm程。
(写真10) こちらは現在もヤフオクにコンスタントに出品されているsansyo88 さんの作品、カリコテリウムとエンテロドン(20cm位)。今のところ目出たく落札できたのはこれだけ。つい最近も、最古のカメ・オドントケリスを逃してしまいました。シンプルですが味わいある造形と落ち着いた淡い彩色が特徴的なこの作者のオークションからは目が離せません。
(写真11) セカイモン・オークションで今年になってからおめにかかるようになったPhil LoBiondoさんの1/1産状風骨格模型。クオリティはそこそこですが、珍しい種類選択と送料その他諸経費を入れても1万円前後という値段で、つい手が出てしまいます。左上がスカンソリオプテリクス。その隣がメイ・ロン。下の2枚はジュラ紀のワニ型類ジュンガルスクスで右はおまけに付いてきた1/4生体模型です。(オークションの写真を使わせてもらいました。)
(写真12) セカイモンで手に入れた、Allen A Debusさん作のディメトロドン。ネットで調べて判ったのですが、Debusさんは1995年に出版された「Dinosaur Sculpting」という恐竜模型の作り方を解説した本(家にありました)の著者で、ページをめくるとなんとこんな写真が! (写真13)。かなり嬉しいです。40cm程の大きさ。
(写真14) これもセカイモン、イギリスからです。Vernon Edwardsという人が1947年に制作したスケリドサウルスの石膏模型。この方をネットで検索したところ、ロンドン自然史博物館の展示模型制作に携わり、1934年には、あの名著「恐竜―その発生と絶滅」で年配の恐竜ファンには懐かしいW.E.スウィントンの著書に恐竜模型の写真を提供。さらにマンチェスターのボルトン博物館の古生物模型を手掛けるなど、かなりの大物の様です。このスケリドサウルス、我家に来た時は尾の棘が半分ほど失われていたうえ、梱包がいいかげんだったせいで台座の端が割れ、事もあろうに首がもげているという悲惨な有様でした。修復する為棘の形や色を知りたいと思い、もしやネットに画像が有るのではないかとひらめいて検索したところ、意外な所にありました。以前訪れた事があるライムリージスのフィルポット博物館です。(秘宝館Vol.40)当時は不覚にも気がつかなかったのですが、巨大なイクチオサウルス骨格の下に半ば投げやりな感じで置かれています (写真15)。この写真が撮られたのが2012年の6月の様で、手に入れたのが同年の12月。ベースの色の感じなど若干違いますが、処分されてオークションに出された可能性はあります。そうではないとしても同じ型から作られた物である事は確かで、我家には「来るべくして来た」という感じです。
さて、今年後半もいろいろ恐竜の話題がありました。前回、新説の詳細記事を期待したナショジオのスピノサウルス特集には見事に肩透かしされ、イラストが発表された謎の恐竜デイノケイルスも風変わりで面白いのですが、あの手だけだったころの迫力が無くなってちょっと残念。来年もワクワクするような発見がありますように。ではよいお年をお迎え下さい。
(写真16) Hawthorne Village: Sinclair Gas Service Station Happy Memories(これは一点物ではありません)
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田村 博 Hiroshi Tamura
ジャズピアニスト。1953年1月27日生まれ。
恐竜倶楽部草創期からのメンバー。恐竜グッズ収集家として知られる。東京、横浜のライブハウスを中心に活動中。
1996年に、ベースの金井英人のグループの一員としてネパールでコンサートを行った。「開運なんでも鑑定団」などテレビ番組や雑誌に度々登場。「婦人公論」2002年7/22号で糸井重里氏連載の「井戸端会議」で国立科学博物館研究室長・富田幸光氏と対談。千葉県市川市のタウン誌「月刊いちかわ」に、恐竜に関するエッセイを半年間連載。1998年の夏には群馬県と福島県の博物館の特別展にコレクションを提供。2000年夏には福井県「恐竜エキスポふくい2000」にコレクションを提供、サックス奏者、本多俊之とのデュオで、恐竜をテーマにしたコンサートを行った。