Vol.89 「木の恐竜」大図鑑
前回も登場しましたがタブリンさんの木製恐竜頭骨もだいぶ集まった事だし、この辺りで我が家の木製恐竜をまとめてみようかと。
大半は過去の秘宝館で散発的に紹介済みなのですが、改めてこうして一堂に集めてみると、若い頃に集めた物も多くなかなか感慨深いものが有ります。ネット情報によると、木製の人形などの歴史はたいへん古く、古代エジプトまで遡れるそうです。
最古の恐竜玩具
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コレクターのバイブル「Dinosaur Collectibles」に載っている最古の恐竜玩具も、1920年代に発売されたTwisTum社の木製のブロントサウルス(秘宝館Vol.55)です(左)。円形のジョイントで出来ていてポーズを自由に変えて遊ぶ物です。実は我が家には同様な物がもう一つあって、そちらはメーカー不明の1940年代物です(右)。
*余談ですが確認できた最古の恐竜フィギュアは、19世紀末、科学用品などの通信販売「Ward’s catalogue」から博物館やコレクター向けに販売された、あのベンジャミン・ウォーターハウス・ホーキンス作のクリスタルパレスのイグアノドン、メガロサウルスの原型(新秘宝館Vol.71)のレプリカの様です。世界最強恐竜コレクターのドン・グルット氏が自身のホームページで写真入りで紹介しています。
それ以前にも、19世紀ヴィクトリア朝時代には恐竜は一般に広く認知されていたので、おもちゃの類はあるはずなのですが、手掛かりなしです。(新秘宝館Vol.19)アカンバロの恐竜土偶が本物だったら最古記録を大幅に塗り替えられたのに残念…何しろ紀元前数千年製ですから。
ちなみに人類最古の古生物フィギュアは、ドイツのフォーゲルへルト洞窟で見つかったクロマニョン人制作のマンモスやホラアナライオンなどのミニチュアで、素材はマンモスの象牙。3万5千年前の作品だそうです。びっくりするほどリアルで、現在の物と比べても遜色ない出来です。 https://polytopi.com/vogelherd-figurines/
レプリカ、売ってないのかなあ…
白木のスピノサウルスなど
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時代は下って1970年代半ば、日本初の恐竜骨格模型もやはり木製でした。秘宝館Vol.11で特集した白木の恐竜です。今まで新秘宝館Vol.55でステゴサウルス、同じくVol.63でプレシオサウルスが登場しましたが、今回は新秘宝館Vol.20スピノサウルス特集の時、買わなかったことを大いに後悔していた巨大スピノサウルス(全高50cm!)を組んでみました。しばらく前に復刻版をめでたく手に入れたのです。このスピノ、昭和時代の骨格図(Vol.20参照)を簡略化しつつもイメージ通りに立体化しています。
7月発売予定のバンダイ・プラノサウルスの「スピノサウルス1915」も旧復元ですが、写真を見る限り昔の復元への忠実さでは白木の恐竜に軍配があがります。
ティラノ頭骨は、白木の恐竜を継承するワールドライフ社のアニマルクラフト・シリーズの物。現在でも科博などで売られています。
始祖鳥は新秘宝館Vol.35で紹介済み。アクション・プロダクツという台湾のメーカーの物です。
加えてこの30年来、寝室の壁に飾られているシーラカンスも紹介させてください。恐竜でも古生物でもありませんがなかなか気に入っているのです。
木彫りのクッシー
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1989年、屈斜路湖畔の砂湯でゲットした北海道名産木彫りの熊ならぬ木彫りのクッシー。
左の物は、アイヌの木彫り名人イソリ老人の作品で味わい深い物です。
どう見ても竜脚類にしか見えない2匹を掘った若い職人さんは恐竜好きなのかも。
木彫りのクッシーの事は、1978年に出版された文藝春秋デラックス「恐竜2億年」という雑誌で知り、以来10年間気になっていて満を持しての北海道旅行でした。道東の紅葉の鮮やかさが40年近く経った今でも忘れられません。
博物館土産の木の恐竜
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1987年、群馬県の神流町恐竜センターの前身「中里村恐竜センター」オープン時に大変な思いをしたあげく手に入れた素朴なお土産(秘宝館Vol.48)。
90年代終わりごろ、熊本での仕事の合間に立ち寄った旧御船町恐竜博物館土産の御船竜。(秘宝館Vol.51 / 新秘宝館Vol.87)
福井県立恐竜博物館の越前竹人形フクイサウルス。多分開館した2000年に購入した物だと思います。
この様に地方の博物館の開館当初は、手作り感満載の郷土色豊かな恐竜お土産があったものでしたが、近年は洗練されてしまってちょっぴり残念。
東南アジアの木彫り恐竜
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1990年の恐竜ブーム(新秘宝館Vol.18 / 19)の時には、様々な材質の恐竜フィギュアが巷に溢れていました。これらのアジアンチックな木彫り恐竜の多くはその頃の収穫。その後、街のバリ島物産店等で見つけた物も混ざっています。(秘宝館Vol.29)
木の恐竜おもちゃ
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1920年代の恐竜玩具(画像1)の直系の子孫といえるもの。
プラスチック玩具が登場する以前、手で動かして遊ぶオモチャと言えばほとんどが木製でした。それは現代にも受け継がれていて、特に幼児用玩具は安全性を考えてか木の製品が多いようです。恐竜も動かす物から積み木の様な物まで多数発売されていますが、幼児向けにディフォルメされているうえにお値段もなかなかよろしく、コレクションの対象にはなっていません。とは言えついつい手を出してしまったものもいくつかあり…。
ティラノサウルスのマリオネット!さすがにマリオネットは我が家でもこれだけです。
最近メルカリで手に入れた、頸と尻尾、足が可動する竜脚類。九州の高千穂で購入したそうですが詳細は不明。
当初は木製のティラノをヤフオクで手に入れたのですが、後に右の冊子を見つけて出所が判明。2002年のNHKの「趣味悠々」という番組のテキストでした。「合板で作る恐竜ティラノサウルス」と題して、糸のことドリルの使い方から始まりティラノサウルスの図面から作り方まで写真付で事細かく説明。他にステゴサウルス、トリケラトプス、ブラキオサウルスの図面も載っていました。この木製ティラノはどなたかが一生懸命に作られた作品だったわけです。大事に飾っていますよ~。
この引いて遊ぶ竜脚類は巨大で全長70cmくらいあります。見た目も良い感じなのですが実は麻袋に入って長年忘れ去られていました。今回思い出さなければ一生陽の目を見られなかったところです。木の恐竜特集をやって良かった!
その他の木の恐竜
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全長60cmの立派な木彫りティラノはだいぶ前にヤフオクで購入した物。現在でも同様なものがヤフーで販売されていますが58000円もするのにはびっくり。これは1万円程度だったと思うのですが。
パラサウロロフスは何処で買ったか思い出せませんが奇麗な作りです。
マンモスは25年位前、音楽の仕事で行ったロシア・カムチャッカ半島のペトロパブロフスクという最果ての町で、土産物屋のお婆ちゃん相手に身振り手振りでやっとの事買えた思い出の一品。
4匹の小さな恐竜については記憶無し。
木の恐竜パズルはよく見かけるのですが、これはパンゲア大陸の形になっているのがミソ。なぜか地図を左に90度倒した形です。残念な事に、魚竜とアンモナイトのピースが目下行方不明となっています。
いかにも中国風な剣竜だか鎧竜だか判らない装盾類の筆置き?はどこかの中国恐竜展か横浜中華街の雑貨屋で買った物だと思います。珍品です。
その下の頭骨は最近の古生物イベントで手に入れたHigashimotoさんの作品。そして右ははるか昔に買った、いかにもといった積木風恐竜。
最新木製恐竜
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今回の木の恐竜特集を書くにあたって、もっと何か無いかと思いヤフオクやメルカリを漁った結果がこれ。特徴をよくとらえたタルボサウルスとティラノサウルスのレリーフ/どうやらニューヨーク自然史のお土産らしい、額に入ったティラノレリーフ/恐竜の体内に恐竜世界のジオラマが広がるこの様な物を何と呼ぶのか判りませんが、安価な割には飾り映えがします/博物館のドールハウス。ドールハウスと言っても伝統の1/12ではなく、スケール感も曖昧な中国産の簡易版ですが、小物も充実していて楽しめます。こうなると本格的な恐竜展示室のジオラマを作ってみたいところですね。
お宝木製恐竜
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ウランバートル・モンゴル自然史博物館のお土産と思われるタルボサウルス(新秘宝館Vol.15に詳しい紹介あり)
ジュラシック・パーク公開時のイベントに展示されていた…かもしれない、アロサウルス頭骨(秘宝館Vol.14)
伊豆高原で出会ったプロトアーケオプテリクス(新秘宝館Vol.16)
入手先不明のプレシオサウルス。(画像6)の木のオモチャのスタイルなのですが、子供の手が届かない所に飾りたい逸品。
これらは我が家の家宝にランクされています。
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そしてタブリンさんの作品たち
こんなに集まりました!
アロサウルス(新秘宝館Vol.21)
バンビラプトル(新秘宝館Vol.87)
イリタトル (新秘宝館Vol.88)
オヴィラプトル(新秘宝館Vol.84)
シチパチ *これは初登場です。
ヘテロドントサウルス(新秘宝館Vol.88)
近日中にもう一種、とびきりユニークな頭骨が加わる予定。乞うご期待です。
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さて最後は恐竜でも古生物でもない現生のクロサイの木彫り。最近中野ブロードウェイで購入した全長15cm程の何とも見事な物ですが、ブロードウェイにひしめく古玩具店の片隅の民芸品200円均一コーナーで、ひっそりと売られていたのです。こんないい物がたったの200円!嬉しい反面、寂しくもなりました。今回紹介した我が家の木彫り恐竜たちの行く末が案じられます。
田村 博 Hiroshi Tamura
ジャズピアニスト。1953年1月27日生まれ。
恐竜倶楽部草創期からのメンバー。恐竜グッズ収集家として知られる。東京、横浜のライブハウスを中心に活動中。
1996年に、ベースの金井英人のグループの一員としてネパールでコンサートを行った。「開運なんでも鑑定団」などテレビ番組や雑誌に度々登場。「婦人公論」2002年7/22号で糸井重里氏連載の「井戸端会議」で国立科学博物館研究室長・富田幸光氏と対談。千葉県市川市のタウン誌「月刊いちかわ」に、恐竜に関するエッセイを半年間連載。1998年の夏には群馬県と福島県の博物館の特別展にコレクションを提供。2000年夏には福井県「恐竜エキスポふくい2000」にコレクションを提供、サックス奏者、本多俊之とのデュオで、恐竜をテーマにしたコンサートを行った。